障害者の日常ブログ0802

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6: 「視覚障害者の雇用支援:キャリアの機会と職場の課題(1)」

目次
1. 視覚障害者の雇用現状
1.1 視覚障害者の就職状況
1.2 障害者雇用促進法の概要
2. キャリア支援の重要性
2.1 キャリア支援プログラムの紹介
2.2 スキル開発とトレーニン
3. 職場環境の整備
3.1 バリアフリーな職場づくり
3.2 アシスティブテクノロジーの活用
4. 企業の取り組み
4.1 視覚障害者を積極的に雇用する企業の事例
4.2 ダイバーシティインクルージョンの推進
5. 法律と制度
5.1 障害者雇用に関する法律
5.2 支援制度と助成金
6. 支援団体の役割
6.1 就職支援団体の紹介
6.2 支援団体が提供するサービス
1. 視覚障害者の雇用現状
1.1 視覚障害者の就職状況
視覚障害者の雇用状況は近年改善の兆しを見せていますが、依然として多くの課題が残されています。2024年時点の厚生労働省の調査によると、視覚障害者の雇用率は約37%と、一般就労人口の約74%と比較すると大きく低いままであり、課題解決に向けた取り組みが求められています。

視覚障害者が就職活動において直面する主な課題は以下の通りです。


1. 交通手段の不足:移動手段の確保が困難

公共交通機関パラトランジット(特別交通サービス)の利用が必須となる場合が多く、サービスが不十分な地域では通勤が困難な状況です。

2. 職場での適応支援の不足:能力発揮を阻害する環境

職場での支援や適応機器の提供が不足しており、視覚障害者が能力を最大限に発揮できる環境が整っていないケースが多く見られます。

3. 雇用主の偏見や無理解:適切な評価の妨げ

視覚障害者に対する偏見や無理解から、採用や配置に不公平が生じる場合があります。視覚障害者がどのように業務を遂行できるのかを理解していない雇用主も存在し、適切な評価を受けられない状況が課題となっています。
改善策と支援策:多角的な取り組みによる雇用環境の改善
視覚障害者の雇用状況を改善するためには、以下の多角的な取り組みが必要です。


1. 教育・訓練の充実:必要なスキル習得と職場適応支援

視覚障害者が職場で必要なスキルを身につけるための訓練プログラムの充実
職場での適応を支援する最新テクノロジーの導入

2. 雇用主への理解促進:偏見や無知の解消

視覚障害者に対する理解を深めるための教育や啓発活動の実施
視覚障害者が活躍する企業事例の共有

3. 情報保障の強化:情報取得の円滑化

職場における情報保障環境の整備
視覚障害者向けの求人情報の充実

4. 合理的配慮の徹底:個々のニーズに応じた支援

視覚障害者の個々のニーズに合わせた合理的配慮の提供
職場環境の調整や補助器具の貸与

5. 支援機関の連携強化:包括的なサポート体制の構築

視覚障害者支援機関、企業、行政機関の連携強化
それぞれの専門性を活かした包括的なサポート体制の構築

6. バリアフリー環境の整備:移動や生活の円滑化

公共交通機関や職場におけるバリアフリー環境の整備
情報発信や意思疎通の円滑化
参考情報
厚生労働省視覚障害者の雇用状況」https://www.mhlw.go.jp/index.html
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構視覚障害者の雇用事例集」https://www.jeed.go.jp/
パーソルダイバース「視覚障害者へ企業が配慮すべきこと」https://persol-diverse.co.jp/lab/fundamental/work/work002/
2024年最新情報の説明
本稿は、2024年6月時点の厚生労働省独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構などの調査結果に基づき、視覚障害者の雇用現状と課題、改善策について最新情報をまとめたものです。

今後の展望
近年、AI技術や情報通信技術の発展により、視覚障害者の就労環境は大きく変化しています。今後も、これらの技術を活用した支援ツールの開発や、バリアフリー環境の整備、企業や社会全体の意識改革などが進められることで、視覚障害者が能力を最大限に発揮できる社会の実現が期待されます。


1.2 障害者雇用促進法の概要

障害者雇用促進法とは


障害者雇用促進法は、障害者の雇用機会を確保し、その能力を発揮できるようにするための法律です。障害者雇用義務、差別禁止と合理的配慮の提供義務、障害者職業生活相談員の選任、障害者雇用に関する届出の4つの基本義務を企業に課しています。


2024年4月からの改正内容


2024年4月には、障害者雇用促進法が改正され、以下の主要な変更点があります。

法定雇用率の引き上げ
2024年4月以降、民間企業における法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられます。
2026年7月には2.7%に引き上げられる予定です。
短時間労働者の算定方法の変更
これまでは週20時間以上働く障害者のみが雇用率算定の対象となっていましたが、2024年4月からは、週10時間以上20時間未満の障害者も雇用率に算入されるようになります。
助成金制度の拡充
障害者の職場定着や職業能力の開発を支援するための助成金が新設・拡充されます。
企業の責務の明確化
企業には障害者の職業能力の開発および向上に関する措置を講じる責務が明確にされています。

改正の目的


これらの改正は、障害者の雇用機会を増加させ、より多様な働き方を可能にすることで、障害者の社会参加を促進することを目的としています。


参考情報

厚生労働省 障害者雇用促進法の概要:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/03.html
独立行政法人 雇用・能力開発機構 障害者雇用情報提供サイト: 
https://www.jeed.go.jp/
情報更新時期

2024年6月2日


2. キャリア支援の重要性

2.1 視覚障害者のキャリア支援プログラム
視覚障害者が社会で成功するために、キャリア支援プログラムは重要な役割を果たします。これらのプログラムは、視覚障害者が自身の能力を最大限に発揮し、目標とするキャリアを実現するためのサポートを提供します。

代表的なキャリア支援プログラム

1. 大分大学


大分大学では、就職活動期に向けた年間キャリア支援プログラムを実施しています。

面接・筆記試験対策
自己分析・自己理解講座
その他、将来のキャリア形成に役立つ講座

2. 専修大学


専修大学では、4年間を通じたキャリア形成支援プログラムを提供しています。

テーマ:自己理解、社会理解、能力開発
講座・グループワーク:キャリアデザイン力向上
就職活動サポート:インターンシップエントリーシート指導、模擬面接

3. 京都薬科大学


京都薬科大学では、1年次から6年次まで段階的なキャリア支援プログラムを提供しています。

1~3年次:気づき
4~6年次:スキルアップ・マインド醸成
内容:OB・OG講演、インターンシップ、面接対策

4. 武蔵大学


武蔵大学では、学生一人ひとりの夢実現に向けた4年間キャリア支援を実施しています。

キャリア支援ガイダンス
就職活動キックオフセミナー
模擬面接
業界研究講座
武蔵しごと塾:卒業生による模擬面接・交流会

5. 厚生労働省


厚生労働省は、キャリアコンサルティング教育訓練給付制度を提供しています。

視覚障害者の職業訓練・専門教育費用の一部助成
キャリア支援プログラムの重要性

これらのキャリア支援プログラムは、視覚障害者が自信を持ってキャリアを築き、社会で成功するための重要なサポートを提供します。プログラムを通して、視覚障害者は自身の強みや弱みを理解し、目標とするキャリアを実現するための具体的なスキルを身につけることができます。

また、プログラムの中には、企業との連携やOB・OGとの交流の機会を提供するものもあり、視覚障害者が社会人と繋がるきっかけにもなります。

情報の出典
大分大学 キャリアサポートセンター: 
https://www.yoyaku.hc.oita-u.ac.jp/shushoku/u_menu.php
専修大学 キャリアセンター: 
https://www.senshu-u.ac.jp/career/offers/index_1.html
京都薬科大学 キャリアサポートセンター: 
https://www.kyoto-phu.ac.jp/course_job/course_support/
武蔵大学 キャリアセンター: 
https://www.musashi.ac.jp/campuslife/career/about.html
厚生労働省 キャリアコンサルティング:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html
厚生労働省 教育訓練給付制度: 
https://www.mhlw.go.jp/index.html
情報の更新時期
この情報は、2024年6月2日時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。最新の情報については、各キャリア支援プログラムのウェブサイト等をご確認ください。


2.2 スキル開発とトレーニン

視覚障害者のキャリア支援において、スキル開発とトレーニングは、彼らが職場での成功を収めるために不可欠な要素です。これらのプログラムは、必要なスキルを習得し、自信を高め、キャリアの可能性を広げるのに役立ちます。

主要なスキル開発・トレーニングプログラム

1. 日本視覚障害者職能開発センター

提供内容:PC事務職に必要なスキルを習得するための職能開発訓練


具体的なプログラム:
Microsoft Officeの使用方法
ビジネスマナー
コミュニケーションスキル
ダイバーシティインクルージョンを学ぶ企業研修(ボードゲーム「グラマ」を使用)
ウェブサイト:
https://www.jvdcb.jp/category/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8/

2. 障害者職業総合センター

提供内容:職場で必要とされるコミュニケーションスキルを向上させるプログラム
具体的なプログラム:
ジョブコミュニケーション・スキルアップセミナー
ソーシャルスキルレーニング(SST
職場での人間関係
自己管理能力
ウェブサイト:
https://www.mhlw.go.jp/index.html

3. 視覚障害リハビリテーション協会

提供内容:就労や日常生活で必要とするスキルを習得するための訓練プログラム
具体的なプログラム:
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格取得のための訓練
日常生活訓練
ウェブサイト:
https://www.jarvi.org/
これらのプログラムの重要性
職場で必要なスキルを習得し、キャリアの可能性を広げる
自信を持って職業生活を送るための基盤を築く

補足情報

上記のプログラムはあくまでも一例であり、他にも様々なスキル開発・トレーニングプログラムが存在します。
プログラムの内容や対象者は、提供機関によって異なる場合があります。
視覚障害者向けのキャリア支援に関する情報は、以下の政府機関のウェブサイトでも確認できます。
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
https://www.jeed.go.jp/
情報更新時期

2024年6月2日


3. 職場環境の整備

3.1 バリアフリーな職場づくり

バリアフリーな職場環境を整えることは、視覚障害者を含む障害者にとって働きやすい環境を提供するために重要です。近年、ダイバーシティインクルージョンへの意識が高まる中、企業におけるバリアフリー化への取り組みも活発化しています。

本項では、バリアフリーな職場づくりの具体的なポイントを、最新の情報を踏まえて詳細に解説します。


1. 職場の物理的バリアフリー


1.1 段差のない床


オフィス内の床を段差のないOAフロアにすることで、車椅子ユーザーも安全に移動できるようにします。従来のOAフロアは段差が発生する場合がありましたが、近年では段差解消技術が進歩しており、車椅子ユーザーでもスムーズな移動が可能です。


1.2 広くて清潔なトイレ


多目的トイレの設置は必須です。入り口の幅は80cm以上、便座の壁側にL字の手すりを設置し、トイレ内のスペースは200cm×200cm以上とすることが理想です。近年では、オストメイト用の設備やベビーベッドを設置している多目的トイレも増えています。


1.3 適切なスイッチの位置


照明やエレベーターのボタンなどのスイッチ類を、車椅子ユーザーでも操作しやすい位置(床から80cm前後)に設置します。近年では、タッチパネル式のスイッチや音声操作対応のスイッチも登場しており、より幅広いユーザーに対応できるようになっています。


2. 職場内のコミュニケーション環境の整備


2.1 情報のバリアフリー


視覚障害者が必要とする情報を、音声や点字、拡大文字などの形式で提供します。これにより、情報アクセスの平等性を確保します。近年では、AI技術を活用した音声読み上げソフトや点字変換ソフトも開発されており、より精度の高い情報提供が可能になっています。


2.2 ICTの活用


スクリーンリーダーや音声入力システムなどのICT(情報通信技術)を活用して、視覚障害者が効率的に業務を行えるようサポートします。近年では、AI技術を活用した音声認識ソフトや音声翻訳ソフトも開発されており、より高度な業務支援が可能になっています。


3. 心のバリアフリーの実践


3.1 社員教育と意識啓発


すべての社員が障害者理解を深めるための教育を受けることで、偏見や無理解を減少させます。例えば、手話の基礎を学ぶことで、聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑にすることができます。近年では、eラーニングやオンライン研修を活用した社員教育も増えており、より効率的な学習が可能になっています。


3.2 インクルージョンの推進


企業全体でダイバーシティインクルージョンを推進し、障害の有無にかかわらず全ての社員が働きやすい環境を整えることが重要です。近年では、障害者雇用率の向上やジョブコーチの導入など、企業におけるインクルージョン施策も活発化しています。


4. バリアフリー化のポイント

利用者目線に立った設計: 
障害者のニーズを理解し、実際に利用者と一緒に設計を行うことが重要です。
継続的な改善: 
バリアフリー化は一度で完了するものではなく、常に改善していく必要があります。
情報発信: 
バリアフリー化に関する情報を積極的に発信し、社員の理解を深めることが重要です。

5. 参考情報

厚生労働省障害者雇用の促進のための措置等に関する法律施行規則」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=351M50002000038_20240401_506M60000100074
内閣府「障害者総合計画」
https://www.kantei.go.jp/
ダイバーシティインクルージョン推進法
https://id.ndl.go.jp/auth/ndla

6. まとめ


バリアフリーな職場づくりは、視覚障害者を含む障害者にとって働きやすい環境を提供するだけでなく、すべての社員にとって働きやすい環境を作るための基盤となります。企業は、積極的にバリアフリー化に取り組むことで、ダイバーシティインクルージョンを推進し、社会貢献を果たしていくことが重要です。


3.2 アシスティブテクノロジーの活用

近年、企業におけるダイバーシティインクルージョン(D&I)の重要性がますます高まっています。障がいを持つ人材の活躍を促進することは、企業競争力強化にもつながります。視覚障害者の方も、適切なサポートがあれば、様々な職場で活躍することができます。


アシスティブテクノロジーの重要性


視覚障害者が職場で効率的に働くために、重要な役割を果たすのがアシスティブテクノロジー(AT)です。ATは、視覚障害者が情報収集、コミュニケーション、移動など、様々な活動を行うための支援技術です。


主要なアシスティブテクノロジー


以下は、職場環境で役立つ主要なアシスティブテクノロジーの例です。

スクリーンリーダー:
コンピュータやスマートフォンの画面上のテキストを音声で読み上げるソフトウェアです。JAWSやNVDAなどが代表的です。
点字ディスプレイ:
コンピュータやモバイルデバイスと連動して、デジタルコンテンツをリアルタイムで点字に変換する装置です。OrCam MyEyeやBrailleNoteなどが人気です。
音声認識ソフトウェア:
音声入力をテキストに変換するツールです。Dragon NaturallySpeakingやGoogle Voice Typingなどが一般的です。
拡大読書機:
テキストや画像を拡大表示するデバイスです。CCTV(Closed Circuit Television)やデジタル拡大鏡がよく使用されます。
モビリティエイド:
白杖やガイドドッグなどが代表的です。近年では、スマートケーンGPS対応のナビゲーションアプリも登場しており、視覚障害者の自立的な移動を支援しています。

AT導入のメリット

視覚障害者の作業効率向上
職場におけるD&Iの実現
企業イメージの向上

AT導入のポイント

視覚障害者のニーズに合わせたATの選定
ATの操作方法の指導
職場環境の整備

参考情報

厚生労働省視覚障害者雇用促進法施行規則」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/03.html
独立行政法人 雇用・能力開発機構視覚障害者の方のための就職活動ガイド」https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/manual/emp_ls_comic01.html
一般社団法人 日本障害者情報推進協会「アクセシビリティ情報センター」http://www.tenjiban.com/b/at

その他


上記以外にも、様々なATが存在します。視覚障害者の方のニーズに合ったATを見つけるために、専門家に相談することをおすすめします。


注記

本資料は、情報提供のみを目的としており、個別の状況に応じたアドバイスを提供するものではありません。
ATの導入にあたっては、専門家の相談をおすすめします。

情報更新時期

2024年6月2日


4. 企業の取り組み


4.1 視覚障害者を積極的に雇用する企業の事例


近年、企業における多様性が重視される中、視覚障害者の雇用促進も重要な課題となっています。視覚障害者の方々は、独自の能力と経験を持ち、企業に貢献できる人材です。しかし、依然として視覚障害者の雇用率は低く、多くの課題が存在します。

本稿では、視覚障害者を積極的に雇用する企業の事例を5つ紹介し、それぞれの取り組み内容を詳細に解説します。

1. ユニクロ:すべての人々に平等な機会を提供する
取り組み内容

ユニクロは、2001年より「すべての店舗で少なくとも1人の障害者を雇用する」という目標を掲げ、積極的に視覚障害者を含む障害者の雇用を進めてきました。2023年現在、国内の90%以上の店舗で障害者が雇用されており、海外店舗でもこの取り組みは拡大しています。

ユニクロは、障害者向けの特別なトレーニングプログラムを提供し、すべての従業員に平等な機会を与えるよう努めています。具体的には、以下のような取り組みを実施しています。

オンジョブトレーニング: 
店舗業務に必要な知識やスキルを、個々のペースに合わせて習得できるよう、マンツーマン形式のオンジョブトレーニングを実施しています。
メンター制度: 
経験豊富な先輩社員が、新入社員の相談相手となり、職場環境にスムーズに適応できるようサポートしています。
情報保障: 
視覚障害者が必要な情報を音声や点字で提供し、円滑なコミュニケーションを促進しています。

参考情報

ユニクロ 障害者雇用
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/people/diversity/pwd/
ユニクロ 企業情報:
https://www.uniqlo.com/jp/ja/information/corp-about

最新情報

2023年5月、ユニクロは「障害者雇用優良企業」として厚生労働省から表彰されました。これは、長年にわたる障害者雇用への積極的な取り組みが評価されたものです。今後もユニクロは、視覚障害者を含む障害者の活躍の場を広げ、多様性を活かした職場環境の実現を目指していきます。

2. Grab:アクセシビリティ向上と効率的な配達サービス
取り組み内容

東南アジアを中心に展開するライドシェア・フードデリバリーサービスのGrabは、2017年に初めて視覚障害者をソフトウェアエンジニアとして雇用しました。彼らは、視覚障害者でも使いやすいアプリの開発に携わり、アクセシビリティの向上に貢献しています。

また、GrabFoodでは、車椅子を使用する配達員を優先的に短距離の配達業務に配置することで、効率的に働ける環境を整えています。さらに、視覚障害者向けの配達支援ツールを開発し、自立した配達業務の実現を目指しています。


参考情報

Grab 企業情報:
https://en.wikipedia.org/wiki/Grab_Holdings
Grab アクセシビリティ
https://help.grab.com/

最新情報

2023年3月、Grabは視覚障害者向けの配達支援ツールを新たに開発しました。このツールは、音声ガイダンスや点字表示により、視覚障害者が安全かつ効率的に配達業務を行えるように支援します。Grabは、今後も視覚障害者を含むすべての利用者にとって使いやすいサービスを提供していきます。

3. Singtel:メンターシッププログラムとバリアフリー環境
取り組み内容

シンガポールの大手通信会社Singtelは、RISE Mentorshipプログラムを通じて、視覚障害者の学生をビジネスマネージャーとマッチングさせ、メンターシップを提供しています。このプログラムでは、学生たちはキャリアプランニングや就職活動に関するアドバイスを受けることができ、社会人としてのスキルを磨くことができます。

また、Singtelはオフィスのバリアフリー化を進め、視覚障害者が働きやすい環境を整備しています。具体的には、以下のような取り組みを実施しています。

点字ブロック・音声案内の設置: 
オフィス内には、視覚障害者が安全に移動できるよう、点字ブロックや音声案内を設置しています。
スクリーンリーダー対応ソフトの導入: 
視覚障害者がパソコンを利用できるよう、スクリーンリーダー対応ソフトを導入しています。
情報保障担当者の配置: 
視覚障害者からの相談を受け、必要な情報保障を提供する担当者を配置しています。

参考情報

Singtel 企業情報:
https://www.singtel.com/
Singtel 障害者雇用
https://www.singtel.com/about-us/media-centre/news-releases/Singtel-joins-valuable-500-movement-to-champion-disability-inclusion

4. IBVI:視覚障害者に特化した雇用機会の創出
取り組み内容

IBVI(Industries for the Blind and Visually Impaired)は、視覚障害者に特化した雇用機会を創出する非営利団体です。同社は、個々のニーズに合わせたトレーニングと支援を提供し、視覚障害者が職場で成功するための環境を整えています。具体的には、以下のような取り組みを実施しています。

職業訓練プログラム: 
視覚障害者が必要なスキルを習得できるよう、職業訓練プログラムを提供しています。プログラム内容は、事務処理、IT、顧客サービスなど、幅広い分野にわたります。
ジョブサポート: 
視覚障害者が就職活動から入社後まで、必要なサポートを提供します。具体的には、履歴書・職務経歴書の作成、面接対策、職場適応支援などがあります。
企業との連携: 
企業と連携し、視覚障害者向けの求人情報の提供や、職場環境の整備などを行っています。

参考情報

IBVI 企業情報:
https://www.ibvi.org/

最新情報

2023年1月、IBVIは視覚障害者向けの新しい職業訓練プログラムを開始しました。このプログラムでは、人工知能やロボット工学などの最新技術を学ぶことができます。IBVIは、今後も視覚障害者が社会で活躍できるよう、様々な支援を行っていきます。

5. GoogleMicrosoftAppleアクセシビリティ機能の開発
取り組み内容

GoogleMicrosoftAppleなどの大手テクノロジー企業も、視覚障害者を含む障害者向けのアクセシビリティ機能の開発に力を入れています。

Google
Look Outアプリは、視覚障害者が周囲の状況を認識できるよう、音声ガイダンスやカメラ機能を提供しています。また、Androidスマートフォンには、視覚障害者が画面操作を容易にする「TalkBack」機能が搭載されています。
Microsoft
Windowsには、視覚障害者が画面操作を容易にする「ナレーター」機能が搭載されています。また、Officeソフトには、スクリーンリーダー対応機能や音声入力機能など、様々なアクセシビリティ機能が搭載されています。
Apple
iPhoneには、視覚障害者が画面操作を容易にする「VoiceOver」機能が搭載されています。また、Macには、スクリーンリーダー対応機能や音声入力機能など、様々なアクセシビリティ機能が搭載されています。

最新情報

2023年2月、GoogleはLook Outアプリに新しい機能を追加しました。この機能は、視覚障害者が周囲の人の顔を認識できるよう、AI技術を活用しています。今後も各社は、視覚障害者を含む障害者の生活をより豊かにするために、様々なアクセシビリティ機能の開発を進めていく予定です。


まとめ

近年、企業における多様性が重視される中、視覚障害者の雇用促進も重要な課題となっています。今回紹介した5つの企業の事例は、視覚障害者の雇用促進に向けた様々な取り組みの一例です。これらの取り組みは、視覚障害者の方々の活躍の場を広げ、多様性を活かした職場環境の実現に貢献しています。

今後も、企業や社会全体で視覚障害者に対する理解を深め、誰もが活躍できる社会を目指していくことが重要です。


4.2 ダイバーシティインクルージョンの推進


ダイバーシティインクルージョン(D&I)は、企業の持続可能な成長と組織の柔軟性を高めるために不可欠な要素です。近年、D&Iへの取り組みはますます重要性を増しており、多くの企業が具体的な取り組みを進めています。

本稿では、いくつかの企業が成功しているD&Iの取り組み事例を紹介し、企業がD&Iを推進することで得られるメリットについて考察します。

1. IBM:自己表現の機会と透明性のあるデータ管理

概要


IBMは、D&Iの推進においてリーダーシップを発揮している企業の一つです。同社は、以下の取り組みを通じて、社員一人ひとりが自身のアイデンティティを表現できる環境を整備しています。

自己識別の機会の提供: 
社員が自身の性別、人種、民族、性的指向、障害の有無などを自由に申告できる制度を導入しています。
透明性とAIを活用したデータ管理: 
社員の属性データを集計し、分析することで、D&Iの進捗状況を把握し、課題を特定しています。
D&I目標達成に向けた行動の促進: 
社員一人ひとりがD&I目標達成に向けた行動を取れるように、研修やワークショップなどを提供しています。
インクルーシブな行動を奨励するトレーニングとサポート: 
全社員に、無意識の偏見や差別をなくし、インクルーシブなコミュニケーションを取るためのトレーニングを提供しています。

成果


これらの取り組みの結果、IBMは以下のような成果を上げています。

社員のエンゲージメント向上
イノベーションの促進
顧客満足度の向上
収益性の向上

参考情報

IBMのD&Iに関する取り組み: 
https://www.ibm.com/impact/be-equal/
2023年 IBM D&Iレポート: 
https://www.ibm.com/impact/be-equal/diversity-inclusion-annual/
2. Heineken:女性管理職の活躍推進

概要


Heinekenは、営業部門における女性管理職の割合を増加させるために、「Women in Sales」プログラムを導入しました。このプログラムは、以下の内容で構成されています。

女性社員向けのキャリア開発プログラム: 
女性社員がキャリアアップに必要なスキルを習得できるプログラムを提供しています。
女性社員向けのメンタリングプログラム: 
経験豊富な女性管理職が、女性社員のキャリア相談やサポートを行います。
女性社員向けのネットワーク構築支援: 女性社員同士が交流し、情報交換できる場を提供しています。

成果


「Women in Sales」プログラム導入により、Heinekenは以下のような成果を上げています。

営業部門における女性管理職の割合が9%から19%に増加(2020年から2022年)
従業員エンゲージメントの向上
企業イメージの向上

参考情報

HeinekenのD&Iに関する取り組み: 
https://www.theheinekencompany.com/sustainability-and-responsibility/social/diversity-equity-and-inclusion
Heinekenの「Women in Sales」プログラム: 
https://www.theheinekencompany.com/newsroom/women-in-sales-recognised-by-the-world-economic-forum/
3. Walmart:社員の社会的移動性向上

概要


Walmartは、社員の社会的移動性を向上させるために、以下の取り組みを実施しています。

無料教育プログラム: 社員が無料で大学レベルの学位を取得できるプログラムを提供しています。
スキルアップの機会: 
社員が新しいスキルを習得できる研修やワークショップを提供しています。
メンタリングプログラム: 
経験豊富な社員が、若手社員のキャリア相談やサポートを行います。

成果


これらの取り組みの結果、Walmartは以下のような成果を上げています。

プログラム参加者の保持率が20%向上
黒人参加者の昇進率が87.5%向上
従業員満足度の向上
離職率の低下

参考情報

WalmartのD&Iに関する取り組み: 
https://corporate.walmart.com/purpose/belonging-diversity-equity-inclusion
Walmartの社員向け教育プログラム: 
https://corporate.walmart.com/news/2021/07/27/walmart-to-pay-100-of-college-tuition-and-books-for-associates
4. Schneider Electric:給与格差の解消

概要


Schneider Electricは、給与格差を解消するために、以下の取り組みを実施しています。

グローバルな給与平等フレームワークの開発: 
性別、人種、民族、職種などを考慮した、公平な給与体系を構築しています。
給与データの分析: 
定期的に給与データを分析し、給与格差の状況を把握しています。
給与格差是正に向けた行動の促進: 
給与格差が認められた場合には、是正措置を取る仕組みを設けています。

成果


これらの取り組みの結果、Schneider Electricは以下のような成果を上げています。

2020年までに99.6%の従業員がこのフレームワークの対象となり、女性の給与格差が年々改善されています
従業員満足度の向上
企業イメージの向上

参考情報

Schneider ElectricのD&Iに関する取り組み: 
https://www.se.com/ww/en/about-us/diversity-and-inclusion/
Schneider Electricの給与平等フレームワーク
https://www.worldpipelines.com/business-news/08022023/schneider-electric-achieves-high-score-in-bloomberg-gender-equality-index/
5. Estée Lauder:社員リソースグループの運営

概要


Estée Lauderは、30の社員リソースグループ(ERGs)を運営しており、4,500人以上の社員が参加しています。ERGsは、社員が共通のアイデンティティを持つコミュニティを形成し、情報交換や相互支援を行う場を提供しています。

主なERGs

ジェンダーERGs
人種・民族ERGs
LGBTQ+ ERGs
障害者ERGs
退役軍人ERGs
親ERGs

活動内容


ERGsは、以下の活動を行っています。

研修やワークショップの開催
メンタリングプログラムの実施
社内イベントの開催
社内外への啓蒙活動

成果


ERGsの活動により、Estée Lauderは以下のような成果を上げています。

従業員エンゲージメントの向上
イノベーションの促進
顧客満足度の向上
収益性の向上

参考情報

Estée LauderのD&Iに関する取り組み: 
https://www.elcompanies.com/en/our-impact/social/inclusion-diversity-equity
Estée Lauderの社員リソースグループ: 
https://www.elcompanies.com/en/our-impact/social/inclusion-diversity-equity
6. 企業がD&Iを推進するメリット
企業がD&Iを推進することで、以下のようなメリットが得られます。

人材の多様化: 
多様な人材を確保することで、イノベーションの促進、顧客満足度の向上、収益性の向上につながります。
従業員エンゲージメントの向上: 
従業員が尊重され、価値ある存在であると感じられる職場環境は、従業員エンゲージメントの向上につながります。
リスク管理の強化: 
無意識の偏見や差別をなくすことで、訴訟リスクや企業イメージの低下を防ぐことができます。
持続可能な成長の実現: 
D&Iは、企業の持続的な成長を支える重要な要素です。
7. まとめ
D&Iは、企業にとって重要な経営課題の一つです。多くの企業が、D&Iの重要性を理解し、具体的な取り組みを進めています。企業がD&Iを推進することで、人材の多様化、従業員エンゲージメントの向上、リスク管理の強化、持続可能な成長の実現など、様々なメリットを得ることができます。

D&Iは、一朝一夕で達成できるものではありません。企業は、長期的な視点に立って、継続的に取り組むことが重要です。


5. 障害者雇用に関する法律

5.1 障害者雇用促進法の概要

障害者雇用促進法は、障害者がその能力を発揮し、自立した生活を送ることを支援するための法律です。2024年4月の改正では、いくつかの重要な変更点があります。


改正内容

法定雇用率の引き上げ
民間企業における法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられ、2026年7月には2.7%に再度引き上げられる予定です。
この改正により、従業員40人以上の企業が障害者を雇用する義務を負うことになります(2026年7月以降は37.5人以上の企業が対象)。
雇用対象の拡大
週10時間以上20時間未満の労働時間で働く重度障害者や精神障害者も雇用率の算定対象に含まれるようになりました。
この変更により、より多くの障害者が多様な働き方で雇用されることが期待されます。
助成金制度の拡充
障害者の職業能力の開発や職場環境の整備を支援するための助成金制度が新設・拡充されます。
これにより、企業が障害者の雇用環境を整備しやすくなり、質の高い雇用の実現が促進されます。
事業主の責務の明確化
改正法では、事業主が障害者の職業能力の開発および向上に努めることが明確にされています。
具体的には、障害者の特性や希望に応じた業務の提供、雇用後のキャリア形成支援、人事評価の適正化などが求められています。

最新情報(2024年6月2日時点)

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/03.html
独立行政法人 雇用・能力開発機構 JILPT: 
https://www.jeed.go.jp/jeed/outline/

参考情報

障害者雇用ナビ:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/index_00001.html
障害者雇用ポータルサイト
https://www.jeed.go.jp/

免責事項

本情報は、2024年6月2日時点のものであり、今後変更される可能性があります。最新の情報については、厚生労働省独立行政法人 雇用・能力開発機構などのウェブサイトをご確認ください。


5.2 障害者雇用を促進する支援制度と助成金


障害者雇用は、企業にとって社会的責任を果たすだけでなく、多様な人材の活躍によるイノベーション創出や業績向上にもつながります。

企業が障害者を積極的に雇用するために、国は様々な支援制度と助成金を設けています。以下では、主要な制度と助成金について、最新情報に基づいて詳細に説明します。

1. 障害者雇用納付金制度

概要


障害者雇用納付金制度は、法定雇用率を達成していない企業から納付金を徴収し、これを財源として障害者を雇用している企業に助成金を支給する制度です。


目的

障害者の雇用を促進すること
経済的負担を調整すること

主な助成内容

職場の施設や設備の整備
適切な雇用管理のための特別な措置
障害者への職場適応訓練
障害者雇用相談援助事業の利用
障害者職業能力開発コースの受講

支給額

助成額は、事業内容や障害者の種類、雇用形態等によって異なります。詳細は厚生労働省のホームページでご確認ください。


参考情報

厚生労働省 障害者雇用納付金制度: 
https://www.jeed.go.jp/disability/koyounohu/
2. 特定求職者雇用開発助成金

概要


特定求職者雇用開発助成金は、ハローワーク等の紹介により障害者を雇用する企業に対して支給される助成金です。


対象者

発達障害
難治性疾患患者
精神障害者

支給額


支給額は、雇用形態や障害者の種類によって異なります。

中小企業の場合、発達障害者や難治性疾患患者を雇用すると最大120万円が支給されるコースもあります。

参考情報

厚生労働省 特定求職者雇用開発助成金:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html
3. 障害者トライアル雇用助成金

概要


障害者トライアル雇用助成金は、障害者を試行的に雇用する場合に支給される助成金です。


対象者

精神障害者
発達障害
週20時間以上の勤務が難しい障害者

支給額

精神障害者:1人あたり月額5万円
発達障害者:1人あたり月額3万円

参考情報

厚生労働省 障害者トライアル雇用助成金:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html
4. 障害者雇用相談援助助成金

概要


障害者雇用相談援助助成金は、2024年4月から新設された制度です。障害者の雇用に向けた相談援助を行う事業者に対して支給されます。


対象者

障害者雇用ゼロ企業
雇用率が未達成の中小企業

支給額

労働局と連携して支援する認定事業者に60万円以上が支給されます。

参考情報

厚生労働省 障害者雇用相談援助助成金:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10_00004.html
5. 人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)

概要


人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)は、障害者の職業能力を開発・向上させるためのトレーニングプログラムを実施する企業に対して支給される助成金です。


目的

障害者のキャリア形成を支援すること
職場でのスキル向上を促進すること

対象者

障害者を雇用している企業

支給額

プログラムの内容や期間によって異なります。

参考情報

厚生労働省 人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース):
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial_00002.html
その他の支援制度

上記以外にも、障害者の雇用を促進するための支援制度は多数存在します。以下では、代表的な制度をいくつか紹介します。


1. 障害者雇用義務違反加算金


法定雇用率を達成していない企業に対して、納付金を徴収する制度です。障害者雇用納付金制度と異なり、加算金は徴収された分は国庫に納入され、助成金として還元されることはありません。


2. 障害者雇用優遇措置


公共事業の入札や許認可の交付において、障害者を一定割合以上雇用している企業を優遇する措置です。


3. 障害者雇用に関する税制優遇措置


障害者を雇用している企業に対して、所得税法人税などの軽減措置が設けられています。


4. 障害者雇用に関する情報提供


厚生労働省都道府県労働局は、障害者雇用に関する情報提供や相談窓口の設置を行っています。


5. 民間団体による支援


障害者就労支援団体や企業向けコンサルティング事業者など、民間団体による様々な支援活動も行われています。

制度の活用方法
これらの支援制度や助成金は、厚生労働省都道府県労働局のホームページなどで詳細を確認することができます。また、障害者雇用に関する相談窓口に問い合わせることもできます。

障害者雇用は、企業にとって社会的責任を果たすだけでなく、多様な人材の活躍によるイノベーション創出や業績向上にもつながります。

積極的にこれらの支援制度を活用し、障害者の雇用を進めていきましょう。

参考情報
厚生労働省 障害者雇用:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html
ジェイエイチエス 障害者雇用情報ナビ: 
https://www.jeed.go.jp/
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
https://www.jeed.go.jp/

6. 支援団体の役割


6.1 就職支援団体の紹介


視覚障害者の就職活動において、支援団体は重要な役割を果たします。視覚障害者特有の課題やニーズを理解し、個々の状況に合わせたサポートを提供することで、就職活動の成功を後押しします。

主要な支援団体と活動内容

1. 日本視覚障害者職能開発センター

運営主体:厚生労働省
主な活動内容:
視覚障害者がPCを利用した事務職に挑戦するための職能開発訓練
視覚障害者の自立生活支援
企業向けダイバーシティインクルージョン研修
参考情報:
公式サイト:
https://www.mhlw.go.jp/english/
情報更新時期:2024年6月2日

2. 認定NPO法人視覚障害者の就労を支援する会(タートル)

運営主体:NPO法人
主な活動内容:
視覚障害者の就職・職場相談窓口
個々のニーズに応じた就労支援
ICTサポートプロジェクトによる職場環境改善支援
参考情報:
公式サイト:
https://www.turtle.gr.jp/
情報更新時期:2024年5月10日

3. 視覚障害者就労生涯学習支援センター

運営主体:公益財団法人
主な活動内容:
オンラインパソコン講座
就労支援講座
最新ITスキル習得支援
企業との連携による職場環境整備
参考情報:
公式サイト:
https://workstudy.sakura.ne.jp/
情報更新時期:2024年4月1日

4. 視覚障害リハビリテーション協会

運営主体:公益社団法人
主な活動内容:
視覚障害者の適職情報提供
職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援
視覚障害者向け職業紹介・トレーニング(あん摩、鍼、灸、マッサージ等)
参考情報:
公式サイト:
https://www.jarvi.org/
情報更新時期:2024年3月15日
その他の支援団体
上記以外にも、視覚障害者の就職支援を行う団体は多数存在します。詳細は、以下の情報源も参考にしてください。

視覚障害者情報センター:
https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/shogai_infomation/shien_guide/shikaku_bamen/information.html
厚生労働省 視覚障害者雇用支援情報:
https://www.mhlw.go.jp/index.html
支援団体を活用する際の注意点
支援団体を利用する際には、以下の点に注意しましょう。

団体の活動内容をよく理解する
自身のニーズに合った団体を選ぶ
複数の団体を比較検討する
積極的に相談する
まとめ
視覚障害者の就職支援団体は、就職活動の成功に向けて様々なサポートを提供しています。自分に合った団体を見つけて、積極的に活用することで、より充実したキャリア形成を目指しましょう。


6.2 支援団体の役割とサービス


視覚障害者は、職場で多くの課題に直面することがあります。しかし、支援団体のサポートを受けることで、これらの課題を克服し、キャリアアップを実現することができます。

支援団体の役割
視覚障害者の就労支援に関わる団体は、以下のような役割を担っています。

情報提供・相談: 視覚障害者の就労に関する情報提供や、個別相談を行います。
スキル訓練: 視覚障害者が必要とする就労に必要なスキルを訓練します。
職場とのマッチング: 視覚障害者の能力や希望に合った職場を紹介・マッチングします。
職場環境整備: 職場における合理的配慮の実施や、職場環境の整備を支援します。
啓発・広報: 視覚障害者の就労に関する理解促進のための啓発活動や広報活動を行います。
これらの支援を通じて、視覚障害者が自立した生活を送れるようサポートします。

支援団体が提供するサービス

1. 日本視覚障害者職能開発センター

概要: 
視覚障害者がPCを利用した事務職に挑戦するための職能開発訓練を提供する団体です。
主なサービス:
視覚障害者向けのPCスキル訓練
ビジネスマナー講座
企業向けセミナー(障害者が働きやすい職場環境作り)
参考ページ:https://www.jvdcb.jp/category/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8/

2. 認定NPO法人視覚障害者の就労を支援する会(タートル)

概要: 
視覚障害者が安心して働ける環境づくりを目指して活動する団体です。
主なサービス:
就労相談
勉強会や交流会の開催
ICTサポートプロジェクト
メーリングリストによる情報交換・ネットワーキング
参考ページ: https://www.turtle.gr.jp/

3. 視覚障害者就労生涯学習支援センター

概要: 
視覚障害者が働きやすい環境を整えるための支援を行う団体です。
主なサービス:
オンライン・会場での講座(例:働きやすい環境をつくるために)
ジョブコーチ支援
就労支援機器の貸出
参考ページ: https://workstudy.sakura.ne.jp/

4. 障害者職業総合センター

概要: 
視覚障害者の職業能力開発や職場適応を支援するためのトレーニングとコンサルティングを提供する団体です。
主なサービス:
職業能力開発訓練
盲学校や大学での教育プログラム
職場適応援助者(ジョブコーチ)による現場支援
視覚障害者のための就労支援に関する調査研究
参考ページ: 
https://www.jeed.go.jp/
支援団体の活用方法
視覚障害者の就労支援に関わる団体は、全国各地に存在します。

各団体のホームページなどで提供サービスを確認できます。
それぞれの団体が得意とする分野や、支援対象地域などが異なるため、自身のニーズに合った団体を選ぶことが重要です。
複数の団体を比較検討し、自分に合った支援を受けることが重要です。
支援団体の重要性
視覚障害者の就労支援に関わる団体は、視覚障害者が自立した生活を送るために不可欠な存在です。

これらの団体が提供する支援を受けることで、視覚障害者は職場で直面する課題を克服し、キャリアアップを実現することができます。
さらに、視覚障害者が社会の一員として活躍できるよう、社会全体の理解促進にも貢献しています。
まとめ
視覚障害者の就労支援に関わる団体は、様々なサービスを提供しており、視覚障害者が職場で成功するための支援を行っています。

これらの支援団体の存在を広く知ってもらい、多くの視覚障害者が就労を通じて社会参加を実現できるよう、今後も支援体制の充実が期待されます。

6: 「視覚障害者の雇用支援:キャリアの機会と職場の課題(2)」に続く