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5: 「目の見えない世界を理解する:視覚障害者の日常と挑戦(3)」

5: 「目の見えない世界を理解する:視覚障害者の日常と挑戦(2」」続き

目次
8.視覚障害者の未来展望
8.1 新しい技術の進展
8.2 視覚障害者の未来像
8.3 社会の変化と視覚障害者の役割
9.視覚障害者の子育てと家族
9.1 家族のサポート体制
9.2 子育ての工夫とチャレンジ
9.3 視覚障害者の親の声
10.視覚障害者の恋愛と結婚
10.1 恋愛の課題と支援
10.2 結婚生活の実態
10.3 パートナーのサポート


8.視覚障害者の未来展望


8.1 新しい技術の進展


視覚障害者の社会参加と自立生活の実現に向けて、近年、情報通信技術 (ICT) の飛躍的な進歩が大きな役割を果たしています。AI、音声技術、ナビゲーションシステム、エッジコンピューティング、スマートデバイスメタバース・AR技術など、様々な分野における最新技術の革新が、視覚障害者の生活を大きく変革する可能性を秘めています。
本稿では、2024年時点における視覚障害者支援に貢献する主要な技術とその最新動向について、詳細かつ最新の情報を提供します。各技術の現状、課題、そして将来展望を解説することで、視覚障害者の未来社会における可能性を探っていきます。
1. AIと音声技術:情報アクセスの飛躍的向上


音声技術の進化は、視覚障害者の情報アクセスを飛躍的に向上させています。音声読み上げソフトや点字ディスプレイは、視覚障害者がテキスト情報を音声や触覚で取得できる手段を提供し、日常生活や仕事における自立を支えています。
近年、AI技術の導入により、音声読み上げソフトや音声認識機能はさらに高度化しています。AIは、自然な発音での読み上げや、文脈を理解した翻訳、音声による質問への回答など、より人間に近い対話型コミュニケーションを実現しています。
さらに、AI搭載デバイスは、文字の読み上げ、顔の認識、商品の識別など、視覚障害者の自立をサポートする多機能性を備えています。例えば、スマートスピーカーや音声アシスタントは、音声コマンドで家電製品を操作したり、情報収集やスケジュール管理を行ったりすることが可能です。
これらの技術進歩により、視覚障害者は、音声を通じてより多くの情報にアクセスし、より自由にコミュニケーションを取ることが可能になります。
 参考情報:
音声読み上げソフト:
NVDA (NonVisual Desktop Access): 
https://www.nvaccess.org/download/
JAWS (Job Access With Speech): 
https://www.freedomscientific.com/Downloads/
AI搭載デバイス:
Amazon Echo
https://www.amazon.com/echo/s?k=echo
Google Home
https://store.google.com/category/connected_home?hl=en-US
参考資料:
視覚障害者向け音声読み上げソフトの現状と課題: 
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=8&item_id=207375&item_no=1
AIを活用した視覚障害者支援: 
https://biblion.jp/articles/vqy2n
2. ナビゲーションシステム:安全で快適な移動を実現


GPS技術や専用のナビゲーションアプリは、視覚障害者が安全に移動するための重要なツールです。これらのシステムは、音声ガイダンスや振動ガイドによって、周囲の状況や最適なルートをリアルタイムで提供します。
近年、ナビゲーションシステムはさらに高度化しており、以下のような機能が搭載されています。
障害物検知: 歩行中の段差や障害物を検知し、音声で通知することで、転倒などの事故を防ぎます。
公共交通機関情報: 路線バスや電車の運行状況、乗り換え案内などを提供し、スムーズな移動をサポートします。
室内ナビゲーション: 美術館や商業施設などの室内環境でも、音声ガイダンスによって目的地まで案内します。
これらの機能により、視覚障害者はより安心して移動することが可能になり、社会参加の幅が広がります。


参考情報:
ナビゲーションアプリ:
Ashirase: 
https://global.honda/en/japan-mobility-show/2023/info/Ashirase/
Mizuho Navi:  https://www.mizuhogroup.com/americas/privacy-security
参考資料:
視覚障害者向けナビゲーションシステムの現状と課題: 
https://www.netnfu.ne.jp/i-fukushi/report/sikaku.pdf
最新技術を活用した視覚障害者向けナビゲーションシステム: 
https://www.netnfu.ne.jp/i-fukushi/report/sikaku.pdf


3. エッジコンピューティング:リアルタイムな情報処理を実現


エッジコンピューティングは、データ処理をクラウドから端末に近い場所で行う技術です。この技術を視覚障害者支援に活用することで、以下のようなメリットがあります。
リアルタイム情報処理: 音声認識や画像認識などの処理を端末上で行うことで、遅延を大幅に削減し、リアルタイムな情報提供が可能になります。音声認識によるスムーズな会話や、目の前の物体認識による迅速な行動が可能になります。
プライバシー保護: データをクラウドに送信する前に端末上で処理するため、個人情報の漏洩リスクを軽減できます。これは、視覚障害者が日常生活の中で使用する情報の中には、個人情報が含まれる場合が多いため、特に重要です。
通信コスト削減: データをクラウドに送信する量が少ないため、通信コストを削減できます。これは、視覚障害者が外出先でスマートフォンタブレットを使用する際に特にメリットとなります。
オフラインでの利用: インターネット接続がなくても、端末上でデータを処理できるため、オフライン環境でも情報収集やコミュニケーションが可能になります。災害時や通信障害が発生した場合でも、視覚障害者が必要な情報にアクセスし、自立した生活を送ることができます。


課題と展望


エッジコンピューティングは、視覚障害者支援に大きな可能性を秘めている一方で、いくつかの課題も存在します。
処理能力: 端末の処理能力によっては、リアルタイムな情報処理が難しい場合があります。今後は、AI技術の進歩や専用チップの開発により、処理能力の向上と省電力化が期待されます。
セキュリティ: 端末がマルウェアに感染したり、盗難されたりした場合、データが漏洩するリスクがあります。今後は、セキュリティ対策の強化や、生体認証技術の導入などが重要になります。
コスト: エッジコンピューティング対応の端末は、従来の端末よりも高価な場合があります。今後は、技術革新や量産効果により、コストの低減が期待されます。
これらの課題を克服することで、エッジコンピューティングは視覚障害者支援においてさらに普及し、日常生活の質向上や社会参加の促進に貢献することが期待されます。


参考情報:
エッジコンピューティングとは?メリット・デメリット、導入事例を徹底解説:
https://www.itmedia.co.jp/keywords/edgecomputing.html
エッジコンピューティングの最新動向と市場規模: 
https://www.fuji-keizai.co.jp/report/detail.html?code=162212738&la=en
視覚障害者向けエッジコンピューティング技術: 
https://ieeexplore.ieee.org/document/8741422


まとめ
AI、音声技術、ナビゲーションシステム、エッジコンピューティング、スマートデバイスメタバース・AR技術など、視覚障害者支援に貢献する技術は日々進歩しています。これらの技術の進展により、視覚障害者はより自立して生活し、社会で活躍することが可能になりつつあります。
今後は、これらの技術の融合や新たな技術の開発により、視覚障害者の生活をさらに豊かにするソリューションが期待されます。


8.2 視覚障害者の未来像


視覚障害者の未来は、技術革新と社会的な取り組みによって大きく変化していくと考えられます。以下、2024年5月時点での最新情報に基づいて、視覚障害者の未来像を詳細に展望します。


技術の進化:新たな可能性が広がる支援ツール


視覚障害者支援技術は、近年目覚ましい進歩を遂げています。音声技術やAIを活用したツールは、視覚情報を音声や点字に変換し、日常生活や仕事における情報収集を可能にします。
AI搭載デバイス:多機能で頼れるパートナー AIを搭載したデバイスは、文字読み上げ、顔認識、商品識別など、多様な機能を提供します。視覚障害者が自立した生活を送るための強力なサポート役となります。
例:
OrCam MyEye 2: 周囲の情報を音声で伝えるスマートグラス。文字読み上げ、顔認識、バーコードスキャンなど、日常生活に必要な機能を網羅しています。
Looxcie Lux 2: AI搭載メガネ型デバイス。周囲の状況をリアルタイムで音声で伝えるだけでなく、音声コマンドで操作することもできます。
ナビゲーションシステム・拡張現実(AR)技術:安全で快適な移動をサポート ナビゲーションシステムやAR技術は、視覚障害者が安全に移動するための新しい手段を提供します。音声ガイダンスやAR表示によって、周囲の状況を把握し、目的地までスムーズに移動することができます。
例:
NAVI+: 音声ガイダンスとAR表示を組み合わせた、視覚障害者向けのナビゲーションアプリ。周囲の状況をリアルタイムで把握し、安全なルートを案内します。
Microsoft Seeing Eye: AIとAR技術を活用した、視覚障害者向けのナビゲーションアプリ。周囲の物体を認識し、音声で情報を伝えます。
その他: 画像認識、音声認識、翻訳機能など、様々な支援技術が日々進化しています。


社会参加とインクルージョン:誰もが活躍できる社会へ


視覚障害者が社会に参画し、活躍できる環境整備も進んでいます。教育現場では、視覚障害に関する正しい理解を促進するプログラムが導入され、障害者差別解消法の施行により、合理的配慮の提供が義務付けられています。
教育現場:インクルーシブな教育環境の構築 視覚障害に関する正しい知識や理解を広めるプログラムが導入され、視覚障害者も他の生徒と同様に教育を受けられる環境が整備されています。
例:
ユニバーサルデザイン教育: 視覚障害者を含むすべての人が学びやすい環境をデザインする教育プログラム。
視覚障害者向けの教材開発: 点字教材や音声教材など、視覚障害者が学習しやすい教材が開発されています。
職場:多様な働き方の実現 ICT技術の発展により、視覚障害者でもPC入力業務などを行うことが可能になり、オフィスワークに従事できるようになっています。
例:
音声読み上げソフト: テキストデータを音声で読み上げるソフト。視覚障害者が文書作成やメール作成などの作業を行うことができます。
情報保障: 視覚情報を音声情報や文字情報に変換する支援機器や手段を提供することで、視覚障害者が仕事に必要な情報を把握できるようにします。
その他: 社会福祉制度の充実、バリアフリー化の推進など、視覚障害者が社会参加しやすい環境整備が進められています。
新しい生活支援ツール:日常生活を便利にする
スマートグラスやメガネ型デバイスなど、視覚情報を音声に変換して提供する新しい生活支援ツールが続々と登場しています。
スマートグラス・メガネ型デバイス:音声で情報を伝える 「OrCam MyEye 2」や「エンビジョングラスリーダー」などのスマートグラス・メガネ型デバイスは、視覚情報を音声で伝え、文字読み上げや顔認識を行います。スマートフォンと連動して、音声ガイドや振動による通知を行うデバイスも開発されています。
その他: 音声読み上げ機能付きスキャナー、点字ディスプレイ、音声認識アプリなど、様々な生活支援ツールが開発されています。


職場での支援:活躍の場が広がる


テレワーク・リモートワーク:柔軟な働き方による活躍促進


近年普及するテレワーク・リモートワークは、視覚障害者の働き方にも大きな可能性をもたらします。オフィスへの通勤・移動の負担が軽減され、自宅など静かな環境で集中して仕事に取り組むことができるため、ワークライフバランスの向上にもつながります。
必要な支援ツールの導入
音声読み上げソフト: 画面上の情報を音声で読み上げるソフト。メール作成、資料作成、情報収集など、様々な業務で活用できます。
スクリーンリーダー: 画面上の情報を点字に変換して表示するソフト。点字ディスプレイと組み合わせて使用することで、文書作成やインターネット閲覧などの作業を行うことができます。
Webアクセシビリティ: 視覚障害者が使いやすいように、Webサイトやアプリケーションを設計するガイドライン。Webコンテンツのアクセシビリティを向上させることで、視覚障害者がより多くの情報にアクセスしやすくなります。
コミュニケーションツールの活用
オンライン会議システム: ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議システムを活用することで、場所や時間にとらわれずに会議に参加することができます。
チャットツール: SlackやChatworkなどのチャットツールを活用することで、迅速かつ円滑にコミュニケーションを取ることができます。
音声認識ソフト: 音声をテキストに変換するソフト。議事録作成や資料作成などに活用できます。
制度面の整備
合理的配慮の義務付け: 障害者雇用促進法に基づき、企業は障害者に配慮した就労環境を整えることが義務付けられています。
テレワーク・リモートワーク制度: 多くの企業でテレワーク・リモートワーク制度が導入されており、視覚障害者も積極的に活用することができます。
補助金の活用: 障害者雇用のための補助金制度を活用することで、必要な支援ツールの導入や環境整備を行うことができます。


その他
企業における視覚障害者雇用コンサルタントの活用: 視覚障害者雇用の専門家である視覚障害者雇用コンサルタントに相談することで、個々の障害者のニーズに合わせた支援を受けることができます。
視覚障害者向けの就労支援団体: 視覚障害者向けの就労支援団体では、就職活動やキャリア形成に関する情報提供や相談援助を行っています。


参考情報
厚生労働省 障害者雇用情報提供サイト:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
https://www.jeed.go.jp/
一般社団法人 視覚障害者情報・リハビリテーションセンター:
https://www.jsrpd.jp/
情報提供時期
2024年5月時点の情報です。


8.3 社会の変化と視覚障害者の役割
技術の進展と視覚障害者の役割


AIとロボティクスが拓く自立と社会貢献の機会


視覚障害者の未来における役割は、AI(人工知能)やロボティクスの進化と共に大きく変化しています。これらの技術は、視覚障害者がより自立して生活し、社会に貢献する機会を増やす可能性を秘めています。
音声読み上げソフトとナビゲーションシステム: AIを活用した音声読み上げソフトやナビゲーションシステムは、視覚障害者が日常生活で必要な情報をリアルタイムで取得する手段を提供します。これにより、視覚障害者はより安全かつ効率的に移動できるようになり、社会参加が促進されています。
デジタルマーケティングやデータ解析: 視覚障害者は、AIやICT技術を駆使してデジタルマーケティングやデータ解析などの分野で活躍することができます。
技術開発への貢献: 視覚障害者自身が新しい技術の開発に関与することで、より多くの人々がその恩恵を受けることができます。


参考情報:
視覚障害者向け音声読み上げソフト: 
https://www8.cao.go.jp/shougai/onsei/onsei.html
視覚障害者向けナビゲーションシステム: 
https://www.netnfu.ne.jp/i-fukushi/report/sikaku.pdf
視覚障害者とAI: 
https://m.youtube.com/watch?v=OcFAJxsn2rQ
社会的インクルージョンの重要性


理解と共感に基づくバリアフリー社会の実現


視覚障害者が社会に積極的に参加するためには、物理的なバリアフリー化だけでなく、社会全体の意識改革が必要です。教育や啓発活動を通じて、視覚障害者に対する理解を深めることが重要です。
学校や職場でのインクルーシブ教育: 視覚障害者と健常者が共に学ぶインクルーシブ教育は、相互理解を深め、偏見や差別をなくすための効果的な手段です。
視覚障害に関するワークショップ: 視覚障害者自身の経験を共有するワークショップは、健常者にとって視覚障害への理解を深める貴重な機会となります。


参考情報:
インクルーシブ教育:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%96%E6%95%99%E8%82%B2
視覚障害に関するワークショップ: 
https://m.facebook.com/kanshows/?locale=ja_JP
視覚障害者の社会貢献


新たな職業分野での活躍と社会全体の繁栄


視覚障害者は、技術の進展によって新たな職業分野での活躍が期待されています。 デジタルマーケティングやデータ解析: 視覚障害者は、AIやICT技術を駆使してデジタルマーケティングやデータ解析などの分野で活躍することができます。
アクセシビリティの向上: 視覚障害者自身の経験や視点を活かして、製品やサービスのアクセシビリティ向上に貢献することができます。


参考情報:
視覚障害者とデジタルマーケティング
https://www.nielsen.com/ja/insights/2021/visibility-of-disability-portrayals-of-disability-in-advertising/
視覚障害者とデータ解析: 
https://www.soumu.go.jp/soutsu/hokuriku/resarch/houkoku/1.1.pdf
アクセシビリティの向上: 
https://www.w3.org/TR/WCAG21/
未来展望


技術革新と社会変革が描く、視覚障害者と社会の共生


未来に向けて、視覚障害者が社会の中で果たす役割はますます重要になります。技術の進化と共に、視覚障害者が自立し、社会に積極的に参加するための環境が整えられています。これにより、視覚障害者は自らの可能性を最大限に発揮し、社会全体の発展に寄与することが期待されています。
視覚障害者の未来像は、技術と社会の進化によって大きく変わりつつあり、彼らが持つ潜在能力を最大限に活用することができる時代が到来しています。


参考情報:
視覚障害者の未来展望: 
https://jbict.net/update/at-survey-03-event-archive
技術革新と社会変革:
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/sustainable_development_goals/infrastructure_industrialization/


注記:
2024年5月25日時点の情報に基づいています。
最新の情報については、各参考情報をご覧ください。


9. 視覚障害者の子育てと家族
9.1 家族のサポート体制
 視覚障害者の子育てには、家族の支援が欠かせません。日本では、視覚障害者の親が子育てを行う際に利用できるサポート体制がいくつか整備されています。


地域のサポート体制
地域子育て支援拠点やファミリー・サポート・センターなどの施設が設置され、視覚障害者の親が子育てに必要な情報やサポートを受けられるようになっています。
専門家による相談や子育てイベントが開催
親同士の交流の場も提供
参考情報
厚生労働省 令和2年3月「地域子育て支援拠点の運営指針」
https://www.mhlw.go.jp/index.html
厚生労働省 令和2年3月「ファミリー・サポート・センター運営指針」
https://www.mhlw.go.jp/index.html


ヤングケアラー支援
視覚障害者の家庭では、子どもが親のサポートを行う「ヤングケアラー」としての役割を担う場合があります。
北海道ではヤングケアラー支援条例を施行
専用相談窓口の設置
啓発活動
学校や地域の福祉機関が連携
早期発見と支援のための取り組みを強化
参考情報
厚生労働省 令和2年3月「ヤングケアラー支援ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001127425.pdf
北海道 令和元年12月「北海道ヤングケアラー支援条例」
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/103401.html


祖父母のサポート
視覚障害者の親が子育てを行う際には、祖父母の支援も重要です。
育児の手伝い
親としての役割を果たす子どもたちを見守り、励ますことで間接的に支援
新型コロナウイルスの影響
里帰り出産が難しくなった
夫婦で協力して育児を行う家庭も増えている
参考情報
内閣府 令和2年1月「第20回高齢社会白書
https://www.kantei.go.jp/


家族全体の協力
家族全体で協力して子育てを行うことも重要です。
夫婦が協力して家事や育児を分担
視覚障害者の親が無理なく子育てを続けられる環境
地域の子育て支援サービスや福祉サービスを活用
家庭内の負担を軽減
参考情報
厚生労働省 令和2年3月「子育て支援ワークライフバランスの両立支援に関する指針」
https://ryouritsu.mhlw.go.jp/
 視覚障害者の子育てにおける課題と展望


視覚障害者の子育てには、上記で紹介したような様々なサポート体制が整備されています。しかし、これらの体制が十分に機能していない場合や、情報が届いていない家庭も多く存在します。
今後は、地域社会全体での更なる支援体制の充実や、情報発信の強化が必要とされています。また、視覚障害者の子どもたちが健やかに成長できるよう、教育や社会参加の機会の拡充も重要です。


参考情報
全国盲ろう者協会 令和3年3月「第46回全国盲ろう者大会アピール」
https://www.jdba.or.jp/
日本視覚障害者協議会 令和3年3月「2021年度 重点政策」
https://www.jdnet.gr.jp/


情報更新時期
2024年5月25日
免責事項
本情報は、2024年5月25日時点の情報に基づいています。最新の情報については、関係機関のウェブサイト等をご確認ください。


9.2 子育ての工夫とチャレンジ:技術、支援ツール、コミュニティ、そして創意工夫


視覚障害者が子育てを行う際には、様々な工夫とチャレンジが必要です。以下では、最新の情報を踏まえ、詳細な事例とともに、具体的な取り組みを紹介します。


技術の活用:情報取得の壁を越えて


近年、情報技術の進歩は目覚ましく、視覚障害者の情報取得を大きく支援しています。
スマートフォン: 音声読み上げ機能や点字ディスプレイアプリの活用により、ニュースや天気予報、育児情報などを音声や触覚で取得できます。
家電製品: 音声ガイド機能付きの家電製品が増え、洗濯機や電子レンジなどの操作が容易になっています。
スマートスピーカー: 音声コマンドで家電製品を操作したり、音楽を再生したり、情報収集を行うことができます。


支援ツールの利用:育児の負担を軽減


視覚障害者向けの育児支援ツールも充実しています。
点字付き育児日記: 点字で育児記録をしたり、スケジュール管理を行ったりすることができます。
音声付き育児グッズ: 音声で操作方法を案内するおもちゃや教材は、親子で一緒に学ぶことができます。
育児アプリ: 音声読み上げ機能付きの育児アプリは、育児情報を音声で取得でき、便利です。


コミュニティの活用:孤立を防ぎ、支え合い


地域の子育て支援拠点やオンラインコミュニティは、情報交換やサポートの場として役立ちます。 地域の子育て支援拠点: 育児に関する相談や、イベントへの参加など、様々な支援を受けることができます。
オンラインコミュニティ: 同じ境遇の親たちと交流し、情報交換や互助を行うことができます。
視覚障害者支援センター: リハビリ教室や外出イベントなどが開催されており、親子で参加することで交流を深めることができます。


創意工夫の実例:日常生活をスムーズに


日常生活における工夫も、子育てを円滑に進めるために欠かせません。
物の配置: 家庭内の物の配置を固定することで、視覚に頼らずに物を探しやすくすることができます。
音声案内付きおもちゃ・教材: 音声で操作方法を案内するおもちゃや教材は、子どもが自主的に遊ぶことができます。
点字シール: 日用品に点字シールを貼ることで、触覚で識別することができます。


最新の取り組み:さらなるサポート体制の充実


近年、視覚障害者の子育て支援をさらに充実させる取り組みが進んでいます。
AI技術の活用: AI技術を活用した育児支援システムの開発が進められています。
オンライン育児相談: オンラインでの育児相談サービスが充実しており、自宅で気軽に相談することができます。
視覚障害者向け育児講座: 視覚障害者向けの育児講座が各地で開催されており、子育てに必要な知識やスキルを学ぶことができます。


参考情報
厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/index_00004.html
全国視覚障害者児育児支援センター: 
https://www.nishikyo.or.jp/
日本盲人会連合会:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%9F%93%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E9%80%A3%E5%90%88%E4%BC%9A
情報取得時期: 2024年5月


まとめ
 視覚障害者が子育てを行うためには、様々な工夫とチャレンジが必要です。技術の活用、支援ツールの利用、コミュニティの活用、そして創意工夫によって、視覚障害者の親でも無理なく子育てを行うことができます。近年は、AI技術の活用やオンライン育児相談サービスの充実など、さらなるサポート体制の充実も進められています。
視覚障害者の子育ては決して簡単ではありませんが、周囲の理解と支援があれば、子どもたちは健やかに成長することができます。


9.3 視覚障害者の親の声
育児の挑戦と工夫


視覚障害者の親たちは、育児において様々な工夫をしています。
情報収集: スマートフォンの音声読み上げ機能や点字ディスプレイを活用することで、育児に関する情報収集を可能にしています。
育児ツール: 点字付き育児日記や音声案内付き育児グッズといった、視覚障害者向けの育児ツールが役立っています。
感覚を活用: 視覚以外の感覚を最大限に活用し、子どもの成長や状態を把握しています。
これらの工夫により、視覚障害者であっても無理なく育児を行うことが可能になっています。


参考情報:
視覚障害者向けの育児支援ツール: 
https://jbos.jp/
スマートフォンの音声読み上げ機能: 
https://support.apple.com/guide/iphone/turn-on-and-practice-voiceover-iph3e2e415f/ios
点字ディスプレイ: 
https://www.sapienstoday.com/aboutus/
家族や地域の支援


視覚障害者の親は、家族や地域のサポートを受けながら子育てを行っています。
家族: 祖父母の支援は、育児の大きな助けとなります。祖父母が育児の手伝いをすることで、視覚障害者の親の負担を軽減し、親子の絆を深めることができます。
地域社会: 地域の子育て支援拠点やオンラインコミュニティを活用することで、同じような境遇の親たちと情報交換を行い、育児に関するサポートを受けることができます。
これらの支援により、視覚障害者の親は安心して子育てを行うことができます。


参考情報:
地域の子育て支援拠点: 
https://www.cfa.go.jp/policies/kosodateshien/shien-kyoten
オンラインコミュニティ:  https://www.carefit.org/liber_carefit/barrier-free/barrier-free16.php
親の体験談と支援の必要性


視覚障害者の親たちは、社会全体が子育てに対して理解を深める必要があると感じています。
周囲の理解: 育児の中で周囲の人々からのサポートや理解が大きな助けになることが多いです。「大変ですね」「手伝いましょうか」という一言が、視覚障害者の親にとって大きな救いとなります。
社会全体の支援: 視覚障害者の親が安心して子育てを行い、子どもたちが健やかに成長できる環境が整備されるためには、社会全体で子育てを支援する環境が整うことが求められています。
視覚障害者の親の声を聞き、社会全体で子育てを支える体制を構築していくことが重要です。


参考情報:
視覚障害者の親の声: 
https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/education/mtuU5
社会全体での子育て支援
https://www.mhlw.go.jp/site_kensaku_english.html?q=ethical%20guidline
まとめ


視覚障害者の親は、技術の活用や地域社会のサポートを受けながら、様々な工夫をして子育てを行っています。これらの取り組みを通じて、視覚障害者の親が安心して子育てを行い、子どもたちが健やかに成長できる環境が整備されることが期待されています。


参考情報:
視覚障害者の子育て: 
https://toyokeizai.net/articles/-/326937?display=b
視覚障害者の親支援: 
https://www.mhlw.go.jp/site_kensaku_english.html?q=ethical%20guidline


10. 視覚障害者の恋愛と結婚


10.1 恋愛の課題と支援


視覚障害者が恋愛において直面する課題


視覚障害者は、日常生活だけでなく、恋愛においても様々な課題に直面します。以下、主な課題と、近年における変化や課題への取り組みを紹介します。


1. コミュニケーションの難しさ
課題: 視覚障害者は表情や視線などの非言語的なコミュニケーションを読み取ることが困難なため、相手の感情や意図を誤解しやすく、コミュニケーションのすれ違いが生じやすい。
近年の変化: 情報通信技術(ICT)の発展により、音声読み上げ機能付きのメッセージアプリや、オンラインでの会話ツールなどが普及し、視覚障害者同士のコミュニケーションが円滑になりつつある。
課題への取り組み: コミュニケーションに関する専門的なカウンセリングや、視覚障害者向けのコミュニケーションワークショップなどが提供されている。


2. 社会的な偏見や誤解
課題: 視覚障害者に対する偏見や誤解が根強く存在し、恋愛においても理解や協力を得られにくい場合がある。
近年の変化: インターネットやSNSの普及により、視覚障害者に関する情報発信が増え、社会的な理解が少しずつ深まっている。
課題への取り組み: 視覚障害者と健常者が交流できるイベントや、視覚障害に関する啓発活動などが行われている。


3. 自立と依存のバランス
課題: 日常生活でサポートが必要となる場面が多い視覚障害者にとって、恋愛において自立と依存のバランスを保つことが難しい。
近年の変化: 視覚障害者の自立支援が進み、家事や移動などの日常生活においても自立できる人が増えている。
課題への取り組み: パートナーシップに関するカウンセリングや、視覚障害者向けの自立訓練プログラムなどが提供されている。
視覚障害者の恋愛を支援する方法


視覚障害者が恋愛を円滑に進めるためには、様々な支援が必要です。以下、具体的な支援方法と、近年における取り組みを紹介します。


1. 専門的なカウンセリング
支援内容: 恋愛におけるコミュニケーションや感情表現、パートナーシップに関する専門的なカウンセリングを提供する。
特徴: 視覚障害者特有の課題に焦点を当てたカウンセリングを行っている。
参考情報:
全国視覚障害者情報センター「てんどう」
https://www.naiiv.net/
NPO法人ライトハウス「ラブライフサポート」
https://spot-lite.jp/couple-symposium/


2. 社会的なサポートグループ
支援内容: 視覚障害者同士が交流できるコミュニティやサポートグループを提供する。
特徴: 恋愛に関する悩みや経験を共有し、互いに支え合うことができる。
参考情報:
全国盲ろう者互助会「全国盲ろう者ネット」
https://www.jdba.or.jp/
視覚障害者向け情報誌「きらめき」
https://www.kirameki.cc/


3. 技術的な支援
支援内容: 音声読み上げ機能付きのスマートフォンタブレット点字ディスプレイなどの情報機器を貸与・販売する。
特徴: 視覚障害者が日常生活や恋愛におけるコミュニケーションをスムーズに行うためのツールを提供する。
参考情報:
情報処理推進機構「アクセシブル情報通信の推進」
https://www.ipa.go.jp/security/j-csip/index.html
テクノサポート「視覚障害者向け情報機器」
https://www.technosupport.co.jp/english.php


4. 情報提供
支援内容: 視覚障害者向けの恋愛に関する情報提供を行う。
特徴: インターネットや出版物などを通じて、恋愛に関する知識や経験談などを提供する。
参考情報:
一般社団法人エンジョイライフ「視覚障害者のための恋愛・結婚情報サイト」
https://spot-lite.jp/couple-symposium/
書籍「それでも、あなたは愛される: 視覚障害者のための恋愛・結婚ガイド」
https://www.amazon.co.jp/%E6%81%8B%E6%84%9B%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87-%E8%8B%A6%E3%81%97%E3%81%84%E6%81%8B%E3%81%8B%E3%82%89%E6%8A%9C%E3%81%91%E5%87%BA%E3%81%9B%E3%81%AA%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1-%E4%BC%8A%E6%9D%B1-%E6%98%8E/dp/4408111341


10.2 結婚生活の実態
視覚障害者の結婚生活


視覚障害者の結婚生活は、一般的なカップルと同様に喜びや挑戦が存在しますが、特有の課題と支援も必要となります。
課題
日常生活のサポート:
家事、移動、買い物などの基本的な活動において、パートナーのサポートが必要となることが多いです。 特に新しい環境や変化に対応する際には、適切な支援が求められます。
コミュニケーションの工夫:
視覚障害者は非言語的なコミュニケーション(表情やボディランゲージ)を理解するのが難しいため、パートナーとのコミュニケーションに工夫が必要です。
音声や触覚を用いたコミュニケーション手段を活用することで、相互理解を深めることが重要です。
社会的な障壁:
社会には視覚障害に対する偏見や誤解が依然として存在し、それが結婚生活にも影響を及ぼすことがあります。
例えば、外出時や公共の場での対応など、社会的な障壁に直面することが多いです。
支援の方法
福祉サービスの利用:
視覚障害者向けの福祉サービスを利用することで、結婚生活の質を向上させることができます。
例えば、日常生活用具や補助具の提供、同行援護サービスなどが利用できます。
これにより、自立した生活を維持しつつ、パートナーとの協力体制を築くことができます。
リハビリテーションと訓練:
専門的なリハビリテーションや訓練を受けることで、視覚障害者自身がより自立した生活を送れるようになります。
歩行訓練や公共交通機関の利用方法の指導などが含まれます。
これにより、日常生活の中での自立度が高まり、パートナーへの依存度を減らすことができます。
コミュニティ支援:
視覚障害者同士やその家族が参加するコミュニティやサポートグループの存在も重要です。
これにより、同じ境遇の人々と経験を共有し、精神的な支えを得ることができます。
また、パートナーも他の支援者と情報交換を行うことで、より良い支援方法を学ぶことができます。
情報源
https://www.mhlw.go.jp/index.html
https://souken.zexy.net/research_news/couple.html
https://kufura.jp/family/couple/162949
https://zexy.net/article/


補足
視覚障害者の結婚生活は、決して楽なものではありません。しかし、適切な支援と理解があれば、健全で幸福な生活を築くことは可能です。パートナーと協力し合い、周りの人々の支えを得ながら、充実した結婚生活を送ってください。


10.3 パートナーが提供できるサポート
視覚障害者のパートナーサポートの重要性
 視覚障害者が結婚生活を営む上で、パートナーのサポートは非常に重要です。パートナーが適切なサポートを提供することで、視覚障害者の自立と生活の質を大幅に向上させることができます。
パートナーが提供できるサポート内容


視覚障害者のパートナーは、日常生活、情報とコミュニケーション、社会的な支援とコミュニティの活用の3つの側面において、以下のようなサポートを提供することができます。
1. 日常生活のサポート
家事と生活のサポート
料理:材料の準備、調理器具の配置、火加減の調整など
掃除:危険物の除去、掃除用具の整理整頓、掃除場所の案内など
洗濯:洗濯物の種類分け、洗濯機の操作、洗濯物の干し方・取り込み方など
買い物:必要な買い物のリスト作成、買い物の付き添い、買い物袋の持ち運びなど
移動と外出のサポート
白杖の使い方指導
点字ブロックの利用方法指導
公共交通機関の利用介助
街中での歩行介助
外出先での情報提供(障害物や段差の場所、周囲の状況など)
その他
服の着脱介助
薬の服用管理
健康状態の観察
緊急時の対応
2. 情報とコミュニケーションのサポート
情報提供と技術の活用
視覚障害者向けの情報提供(ニュース、天気予報、イベント情報など)
音声読み上げソフトやスマートフォンのアプリの操作支援
パソコンやインターネットの利用支援
コミュニケーションの工夫
具体的な言葉で情報を伝える
相手の感情や意図を理解し、共感する
触覚を利用したコミュニケーション(手話、点字、マッサージなど)
読書支援
点字本の読み上げ
音声付き書籍の再生
電子書籍リーダーの操作支援
3. 社会的な支援とコミュニティの活用
地域のサポートネットワークの利用
視覚障害者向けの地域コミュニティや支援グループへの参加
同じ境遇の人々と交流し、情報交換を行う
精神的なサポートを受ける
福祉サービスの利用
視覚障害者向けの福祉サービスの案内
生活自立訓練
各種補助具の貸与
盲導犬の訓練・貸与
就労支援
社会参加の促進
趣味やボランティア活動への参加
社会との交流機会の提供
サポートを提供する際の注意点
視覚障害者の個性やニーズを尊重する
過剰なサポートは避ける
自立支援を意識する
コミュニケーションを大切にする
情報収集を怠らない
参考情報
厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/index.html
全国視覚障害者情報センター:
https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/shogai_infomation/shien_guide/shikaku_bamen/information.html
日本盲人会連合会:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%9F%93%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E9%80%A3%E5%90%88%E4%BC%9A
視覚障害者のための情報ポータルサイト「アイ・キャンパス」:
https://www.icampusj.net/login.jsp
情報提供時期: 2024年5月25日
免責事項:
この情報はあくまでも参考情報であり、専門的なアドバイスに代わるものではありません。視覚障害者へのサポートについては、個々の状況に合わせて、専門家に相談することをお勧めします。

 


5: 「目の見えない世界を理解する:視覚障害者の日常と挑戦(4)」に続く