5: 「目の見えない世界を理解する:視覚障害者の日常と挑戦(1)」
目次
1. 視覚障害者の日常生活
1.1 視覚障害者の一日
1.2 自宅での工夫と適応
1.3 交通手段の利用
2.視覚障害者の支援
2.1 白杖とその使い方
2.2 盲導犬とガイド犬
2.3 交通機関のバリアフリー
3.視覚障害者の教育
3.1 視覚障害者のための学校
3.2 教育現場での支援と適応
3.3 技術と教育の融合
1. 視覚障害者の日常生活
1.1 視覚障害者の一日
視覚障害者の日常生活は、様々な工夫とサポートによって支えられています。以下、2024年5月時点の最新情報に基づいて、視覚障害者の一日の具体的な例を紹介します。
朝の始まり
音声で時間を知らせる目覚まし時計で起床します。近年では、スマートスピーカーやスマートフォンアプリと連携し、ニュースや天気予報などの情報も音声で提供するものも人気です。
朝の身支度には、色覚認識アプリや音声読み上げ機能付きのスマートミラーなどを活用します。服選びには、服にタグを付けたり、色覚認識アプリで色の組み合わせを確認したりします。
調理には、音声読み上げ付きのレシピ本や、食材の形状や触感で判断できる調理器具などを利用します。白黒コントラストがはっきりしたまな板や、計量カップなど、視覚に頼らない工夫が施されたキッチン用品もおすすめです。
家事と料理
朝食の準備では、音声付きのタイマーや、音声で指示を出せるスマート家電を活用します。
食器の配置には、音声で説明できる食器棚や、盛り付けのガイドとなる食器マットなどを利用します。
洗濯物の管理には、洗濯ネットや音声付き洗濯機などを活用します。洗濯表示の判別には、点字シールや音声読み上げ機能付きの洗濯表示チェッカーなどが役立ちます。
仕事と休憩
在宅ワークでは、音声読み上げソフトや点字ディスプレイ、音声入力機能などを活用して、業務を効率的に進めます。
昼食には、電子レンジ調理可能な冷凍食品や、音声ガイド付きの調理家電などを利用して、簡単に準備できる食事を心がけます。
休憩時間には、音楽鑑賞や読書、音声付きのゲームなど、様々な方法でリフレッシュします。
買い物と外出
買い物では、音声ガイド付きの店内案内システムや、同行援護サービスなどを利用します。近年では、AIを活用した店内ナビゲーションアプリなども開発されています。
お金の識別には、紙幣の折り方や触覚マーク、硬貨の縁の違いなどを活用します。点字付きのお金や、音声読み上げ機能付きのお金識別機なども利用できます。
公共交通機関の利用や外出時には、白杖や盲導犬のサポートに加え、音声案内付きのバスや電車、点字付きのエレベーターや駅構内案内板などを活用します。
夕方から夜のルーティン 夕食後は、家族や友人と過ごしたり、趣味の時間を楽しんだりします。
趣味には、音声ガイド付きの映画鑑賞、点字付きの書籍や雑誌の読書、音声読み上げ機能付きのゲームなどがあります。博物館や美術館など、触覚展示のある施設もおすすめです。
就寝前には、点字図書や音声図書、スマートフォンアプリなどで読書を楽しみます。
参考情報
視覚障害者情報センター:
https://www.verchawaii.com/
全国盲ろう者協会:
https://www.jdba.or.jp/
一般財団法人アイメイト:
http://www.ircit.it/
厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/index.html
その他
視覚障害者の日常生活は、個人差や地域差によって様々です。上記はあくまでも一例であり、すべての視覚障害者に当てはまるわけではありません。
視覚障害に関する理解を深め、インクルーシブな社会の実現に向けて、今後も情報発信を続けていきます。
1.2 自宅での工夫と適応
視覚障害者が自宅で快適に生活するためには、さまざまな工夫と適応が必要です。近年は技術革新により、より便利で安全な生活を送れる環境が整いつつあります。以下では、視覚障害者が自宅で行っている工夫と適応について、最新の情報を加えて詳しく紹介します。
調理と食事の工夫
視認性を高める
調理器具
黒いまな板やボウルを使用することで、食材の視認性を高めます。
一定量出る調味料入れや計量カップを使用することで、調味料の分量を正確に計ることができます。
声で操作できるスマートスピーカーやスマートディスプレイを活用することで、レシピを確認したり、タイマーを設定したりすることができます。
食器の配置
「クロックポジション」と呼ばれる方法で、食器を時計の針に見立てて配置することで、料理の位置を把握しやすくします。
食器の色を工夫し、黒いお茶碗に白いご飯を盛るようにすることで、食べた量や残っている量を確認しやすくします。
その他
調理音を聞き取ることで、食材の状態や火加減を確認することができます。
嗅覚や味覚を頼りに、食材の状態や料理の味を確認することができます。 家族や友人と協力して料理をすることで、より安全かつ効率的に調理することができます。
参考情報
視覚障害者向けのキッチン:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sangakukanjournal/12/1/12_21/_pdf/-char/en
声で操作できるスマートスピーカー:
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC/s?k=%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC
スマートディスプレイ:
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4/b?ie=UTF8&node=8500455051
お金の管理
分類と識別
お札は触って識別できるマークがあり、折り方によって種類を区別します。
硬貨は縁のギザギザや大きさで識別します。
紙幣識別用のスマートフォンアプリを活用することで、お札の種類を簡単に識別することができます。
支払い
キャッシュレス決済サービスを利用することで、現金を持ち歩く必要がなくなり、安全かつ簡単に支払いを済ませることができます。
点字付きのクレジットカードやデビットカードを使用することで、支払い時にカードの種類を確認することができます。
音声付きのATM機を使用することで、操作方法を確認しながら利用することができます。
その他
家計簿アプリを活用することで、お金の流れを把握しやすくすることができます。
家族や友人に協力を依頼することで、お金の管理をよりスムーズに行うことができます。
参考情報
紙幣識別用スマートフォンアプリ:
https://apps.apple.com/jp/app/cash-reader-%E7%B4%99%E5%B9%A3%E3%82%92%E8%AD%98%E5%88%A5/id1344802905 キャッシュレス決済サービス:
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/index.html
点字付きクレジットカード:
https://www.aeon.co.jp/card/lineup/tenjitosho/
音声付きATM機:
https://pixabay.com/sound-effects/search/atm/
洗濯と掃除
洗濯
洗濯物を干す際に、手の感覚を頼りに作業を行います。
靴下のペアを揃えるためには、生地の触り心地やマークの形を利用することができます。
洗濯機の音声ガイダンス機能を活用することで、操作方法を確認しながら洗濯することができます。
掃除
ロボット掃除機を使用することで、手間を省き、確実に掃除をすることができます。
掃除機の音声ガイダンス機能を活用することで、操作方法を確認しながら掃除することができます。
マイクロファイバークロスやモップなどの掃除用具を活用することで、掃除を効率的に行うことができます。
その他
洗濯表示の点字シールを活用することで、洗濯方法を確認することができます。
家族や友人に協力を依頼することで、洗濯や掃除をよりスムーズに行うことができます。
参考情報
洗濯表示の点字シール:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
ロボット掃除機:
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/kitchen/2353758051
マイクロファイバークロス:
https://www.actjapan.co.jp/ultramicrofiber
住環境の整備
視覚障害者が自宅で自立した生活を送るためには、住環境を整えることが重要です。以下、具体的なポイントをまとめました。
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家具の配置
直線的でシンプルな配置: 迷いなく移動できるよう、家具は壁に沿って直線的に配置します。
動線上に物を置かない: 移動時にぶつからないよう、床や通路は常に空けておきます。
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コンセントの設置
日常的に使用する福祉用具が多いため、コンセントを多めに設置します。 コード類は壁や天井を通して整理整頓し、床に這わせないようにします。
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照明
必要な場所に十分な明るさの照明を設置します。
段差や障害物には、足元灯を設置します。
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その他
滑りにくい床材を使用します。
手すりを設置します。
段差をなくすか、段差に段差表示を設置します。
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これらの工夫により、視覚障害者は自宅でも安全かつ快適に生活することができます。
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参考情報
「視覚障害者の住環境整備ガイド):
https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/shogai_infomation/shien_guide/shikaku_bamen/movement.html
「視覚障害者向け住宅改修の助成制度」:
https://www.cocofump.co.jp/articles/kaigo/223/
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情報更新時期: 2024年5月25日
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その他
視覚障害者のニーズは個人差が大きいため、上記はあくまでも参考情報です。
住環境の整備は、視覚障害者だけでなく、高齢者や介護が必要な方にとっても重要です。
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福祉用具の活用
視覚障害者の生活を支える重要な役割を果たすのが、福祉用具です。適切な福祉用具を使用することで、日常生活の様々な動作を安全かつ自立的に行うことができます。
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視覚障害者にとって特に重要な福祉用具
白杖: 外出時の移動に欠かせないアイテムです。
点字表示器: 書籍や情報誌などの文字情報を音声に変換します。
音声読み上げソフト: パソコンやスマートフォンなどの画面内容を音声で読み上げます。
拡大鏡: 文字やイラストなどを拡大して見ることができます。
視覚障害者用時計: 音声で時刻を知らせる時計です。
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福祉用具の選び方
自身のニーズに合ったものを選ぶ: 自分の生活スタイルや視覚障害の状態に合った福祉用具を選ぶことが重要です。
専門家に相談する: 福祉用具の選定には、専門家のアドバイスが役立ちます。
実際に試してみる: 実際に使用してみて、使い心地を確認することが大切です。
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福祉用具の助成制度
視覚障害者が福祉用具を購入するための助成制度があります。詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせください。
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参考情報
「視覚障害者向け福祉用具情報サイト」 https://www.miyagi-sikaku.org/kiki/
「視覚障害者向け福祉用具の助成制度」
https://www.cocofump.co.jp/articles/kaigo/223/
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情報更新時期: 2024年5月25日
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その他
福祉用具は、視覚障害者の生活を大きく改善する可能性があります。
福祉用具に関する情報は、
これらの工夫と適応により、視覚障害者は自宅でも自立した生活を送ることができます。日常生活の質を高めるためには、適切な福祉用具の使用や周囲のサポートが欠かせません。
1.3 視覚障害者が交通手段を利用するための工夫と支援
視覚障害者が安全かつ快適に移動するためには、様々な工夫と支援が必要です。以下では、公共交通機関、タクシー、自家用車、新しい技術の導入という4つの側面から、具体的な例を挙げながら説明します。
1. 公共交通機関の利用
音声案内システム: 駅やバスでは、視覚障害者向けの音声案内システムが導入されています。これにより、視覚障害者は乗り換え案内や運行情報などを音声で確認することができます。
https://oa.jtexpress.com.cn/
触覚マップ: 駅構内やバス車内には、触覚マップが設置されています。触覚マップは、点字や凸凹表示によって、視覚障害者が建物の構造や設備の位置を把握できるようにしたものです。
https://www.pref.chiba.lg.jp/sanshin/hanro/monozukuri/nintei-125.html
点字ブロック: 駅やバス停、歩道には点字ブロックが敷設されています。点字ブロックは、視覚障害者が安全に歩行できるようにするためのものです。
https://en.wiktionary.org/wiki/%E7%82%B9%E5%AD%97%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF
駅員・バス運転手のサポート: 駅員やバス運転手に声をかけることで、案内を受けることができます。例えば、乗り換え方法や降車場所などを教えてもらうことができます。
2. タクシー・ハイヤーの利用
予約時の伝達: タクシーやハイヤーを利用する際は、予約時に視覚障害であることを伝えることで、乗車時にドライバーからのサポートを受けることができます。 ドライバーによるサポート: ドライバーは、視覚障害者の乗降時の手助けや、目的地到着時の案内などを行います。
アプリによる呼出: 近年では、アプリを利用してタクシーを呼ぶことも一般的になりつつあります。アプリの中には、視覚障害者向けの機能を搭載しているものもあります。
3. 自家用車の利用
同乗者のサポート: 視覚障害者自身が運転することはありませんが、家族や友人が運転する車に同乗する際には、車内の安全性を確保するために特別な配慮が必要です。
シートベルトの装着確認: 同乗者は、視覚障害者がシートベルトを確実に装着していることを確認する必要があります。
安全運転の注意喚起: 同乗者は、運転者に対して安全運転を注意喚起する必要があります。
車内物品の配置: 車内には、視覚障害者が必要な物品を配置し、すぐに手に取れるようにしておくことが重要です。
4. 新しい技術の導入
ナビゲーションアプリ: スマートフォンのナビゲーションアプリには、視覚障害者向けの音声ガイド機能が搭載されています。音声ガイド機能は、視覚障害者が目的地までの道順を音声で確認できるようにしたものです。
https://spot-lite.jp/tool-application/
デジタルマップ: 音声ガイド機能付きのデジタルマップも開発されています。デジタルマップは、視覚障害者が地図上の情報を確認できるようにしたものです。
https://www.jacic.or.jp/kenkyu/3/3-9-3.pdf
ウェアラブルデバイス: 視覚障害者向けのウェアラブルデバイスも開発されています。ウェアラブルデバイスは、視覚障害者が周囲の情報を音声で認識できるようにしたものです。
https://ideasforgood.jp/tag/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85x%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9/
これらの工夫と支援により、視覚障害者は日常生活において様々な交通手段を利用し、自立した生活を送ることができるようになっています。
情報更新時期: 2024年5月25日
情報元:
厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/gyousei-gaikyo/torishimari_00002.html
国土交通省:
https://plushearty-salon.com/situation/service-contents-ag/
日本盲人会連合会:
https://www.t-bftc.org/work_d2.html
補足:
上記の情報は、2024年5月25日時点のものであり、今後変更される可能性があります。
最新の情報については、各機関のウェブサイト等でご確認ください。
参考となる事例:
視覚障害者が音声案内システムを活用して電車に乗車する:
https://oa.jtexpress.com.cn/
視覚障害者が点字ブロックを利用して歩行する:
https://en.wiktionary.org/wiki/%E7%82%B9%E5%AD%97%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF
2. 視覚障害者の支援
2.1 白杖とその使い方
白杖の概要
白杖(はくじょう)は、視覚障害者が移動する際に使用する杖で、安全な歩行を支援するための重要な道具です。近年では、白杖の機能や種類も多様化しており、個々のニーズに合わせた最適な白杖を選ぶことが重要になっています。
白杖の主な種類
直杖タイプ: 一本の長い杖で、耐久性が高く、地面からの情報を伝えやすいのが特徴です。しかし、持ち運びには不便な場合があります。
折りたたみタイプ: 折りたたむことができ、カバンやバッグに収納しやすいという利点があります。一方で、直杖タイプに比べて耐久性や情報伝達能力が劣る場合もあります。
伸縮タイプ: 伸縮自在な構造で、持ち運びに便利ですが、直杖タイプほどの情報伝達能力はありません。
白杖を選ぶ際のポイント
視力: 白杖の種類や長さ、グリップの形状などは、視力に合わせて選ぶことが大切です。
歩行スタイル: 普段の歩行スタイルや、歩行距離などを考慮して選ぶ必要があります。
体格: 体格に合った長さや太さの白杖を選ぶことで、快適に使用することができます。
白杖の選び方に関する参考情報
日本視覚障害者協議会 白杖の選び方
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E6%9D%96
ライトハウス 白杖
https://www.lighthouse.or.jp/iccb/shops/index_shops/index_items/white_cane/
基本的な使い方
白杖の使い方は、大きく分けて以下の3つの技法があります。
スライドテクニック: 白杖を斜め前方にスライドさせることで、地面の凹凸や障害物を確認します。歩行速度が速く、広い範囲の情報を得ることができます。
タッピング: 地面を軽く叩きながら進む方法で、路面の硬さや傾斜などを確認するのに適しています。特に、段差や路面の変化を捉えやすい技法です。
対角線技術: 白杖を対角線上に動かしながら歩行することで、前方の障害物を探ります。広い範囲の情報を得ることができ、特に交差点や階段などの複雑な場所で有効です。
それぞれの技法を状況に合わせて使い分けることで、より安全かつ効率的に歩行することができます。
白杖の使い方に関する参考情報
日本盲人会白杖教本
https://edizionicafoscari.unive.it/media/pdf/article/annali-di-ca-foscari-serie-occidentale/2023/57/art-10.30687-AnnOc-2499-1562-2023-11-002.pdf
白杖操作技術
https://www.lighthouse.or.jp/iccb/informations/informations-187957/
白杖の部品
白杖は、以下の部品で構成されています。
クルック: 杖の柄の部分で、使わないときに掛けたり、対角線技術の際に手首を保護する役割を果たします。
グリップ: 白杖を握りやすくする部分で、多くはゴム製です。滑りにくく、適度な温度を保ちます。近年では、手首への負担を軽減する形状のグリップも開発されています。
シャフト: 白杖の本体部分で、反射テープが巻かれているものが多く、夜間の視認性を高めます。最近では、軽量で丈夫な素材を使用したシャフトも開発されています。
石突き(チップ): 白杖の先端部分で、路面からの触覚情報を伝える役割があります。通常はナイロン製で、適度に摩耗するよう設計されています。近年では、振動で障害物を検知する機能付きの石突きも開発されています。
白杖の部品に関する参考情報
白杖の構造と種類
https://www.lighthouse.or.jp/iccb/shops/index_shops/index_items/white_cane/
最新技術の導入
近年、白杖に最新技術を取り入れたハイテク白杖も登場しています。従来の白杖では補えなかった情報を提供し、視覚障害者の安全と自立をさらに高めています。
主なハイテク白杖の種類と機能
超音波センサー搭載型:前方や周囲の障害物を検知し、音声や振動で知らせる機能を搭載。障害物の種類や距離も判別できるものもあり、より詳細な情報を得られます。
GPS機能搭載型: 現在地や目的地までの経路を音声で案内する機能を搭載。慣れない場所でも安心して移動できます。
カメラ搭載型: 前方の状況をカメラで撮影し、音声で説明する機能を搭載。障害物だけでなく、段差や標識なども認識できます。
点字ブロック連携型: 点字ブロックの情報を読み取り、音声で誘導する機能を搭載。点字が読めない人でも、安心して点字ブロックを利用できます。
ハイテク白杖のメリット
安全性の向上: 障害物を事前に検知できるため、転倒や衝突などの事故を防止できます。
自立支援: 道案内や情報提供機能により、一人で外出する機会が増え、社会参加が促進されます。
生活の質向上: 移動の不安が軽減され、より快適で充実した生活を送ることができます。
ハイテク白杖の課題
価格: 従来の白杖に比べて高価なものが多い。
操作: 一部の機能は複雑な操作が必要となり、習得に時間がかかる場合がある。
電池: 充電式のものが多いが、電池切れの心配がある。
ハイテク白杖の選び方
必要な機能: 自身の視覚障害や生活スタイルに合った機能を搭載したものを選ぶ。
操作性: 操作が簡単で使いやすいものを選ぶ。
重量: 長時間使用する場合は、軽量なものを選ぶ。
価格: 予算に合わせて選ぶ。
参考情報
一般社団法人日本盲人会連合会 白杖の種類と選び方:
https://academic.naver.com/article.naver?doc_id=181795345 厚生労働省 視覚障害者の自立支援:
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000099353.pdf
NHKハートネット 白杖から始まる新たな世界:
https://admin.heart-net.nhk.or.jp/
情報更新時期
2024年5月25日
2.2 盲導犬とガイド犬
盲導犬の役割
盲導犬は、視覚障害者が安全に移動できるようサポートする犬です。道路の端に沿って歩く、交差点や段差で止まる、障害物を避けるなどの基本的な仕事をこなします。これらの動作により、視覚障害者は盲導犬からのフィードバックを基に周囲の状況を判断し、指示を出して進むことができます。
盲導犬の主な役割
道路の端を歩く
交差点や段差で止まる
障害物を避ける
階段の上り下り
エスカレーターの乗り降り
指定された場所への案内 (バス停、駅など)
盲導犬の役割を支える能力
優れた嗅覚と聴覚
高い知能
人への強い信頼関係
落ち着いて従順な性格
体力と持久力
盲導犬の訓練
盲導犬は生まれてから約2ヶ月間は母犬のもとで過ごし、その後、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアの家庭で約1年間を過ごします。この期間に人間との信頼関係を築きます。その後、訓練センターで専門的な訓練を受けます。訓練には、基本的な動作に加え、様々な状況に対応できるよう、様々な環境での訓練が含まれます。
盲導犬の訓練内容
基本動作 (歩行、停止、障害物回避など)
道路の横断
公共交通機関の利用
人混みや狭い場所での移動
緊急時の対応
盲導犬ユーザーのサポート
盲導犬はユーザーの指示によって動きます。ユーザーは頭の中に道順を描き、盲導犬の動きや周囲の音を頼りに移動します。盲導犬は新しい場所への案内をするわけではなく、ユーザーが盲導犬に道を教えながら進む形です。そのため、見知らぬ場所では周囲のサポートが重要となります。
盲導犬ユーザーへのサポート
盲導犬の訓練とケアに関する情報提供
盲導犬ユーザー同士の交流機会の提供
社会的な理解促進活動
盲導犬の特徴 盲導犬には「ハーネス」と呼ばれる特別な装具がついており、これによりユーザーは盲導犬の動きを感じ取ります。盲導犬の犬種としては、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーが多く、知的で友好的な性格を持つことが重要です。盲導犬は大きな体格で、ユーザーをしっかりとサポートする役割を果たします。
盲導犬の特徴
ハーネス着用
知的で友好的な性格
大きな体格
訓練された動作
盲導犬とガイド犬の違い
ガイド犬は視覚障害者を案内する盲導犬の一種ですが、盲導犬は特に視覚障害者の歩行をサポートする犬として訓練されています。盲導犬は法的に認定されており、公共の場所でも同伴が許可されています。
盲導犬とガイド犬の違い
ガイド犬は盲導犬の一種
盲導犬は歩行に特化した訓練を受ける
盲導犬は法的に認定されている
盲導犬に関する参考情報
公益社団法人 全盲導犬協会
https://www.moudouken.net/
公益社団法人 介助犬協会
https://www.hojyoken.or.jp/
厚生労働省 視覚障害者等誘導犬等に関する法律
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyokan01_02000052.html
情報更新時期
2024年5月25日
補足
盲導犬は視覚障害者の生活に欠かせない存在であり、その役割は非常に重要です。
盲導犬は法的に認められた補助犬であり、公共の場所でも同伴が許可されています。
盲導犬ユーザーへの理解と協力をよろしくお願いします。
視覚障害者が公共交通機関を利用する際のバリアフリー対策は、近年多くの進歩を遂げています。以下、点字ブロック、音響式信号機、ホームドア・ホーム柵、案内用音声システム、バリアフリー法の5つの項目について、最新情報と参考URLを踏まえながら詳細に解説します。
1. 点字ブロック
点字ブロックは、視覚障害者が安全に歩行できるよう設置された歩行誘導施設です。駅のホームや歩道、交差点などに広く設置されています。近年では、従来の平面的な点字ブロックに加え、以下のような改良型点字ブロックが導入されています。
突起型点字ブロック: 平面的な点字ブロックよりも視触覚で認識しやすく、雨天でも滑りにくい素材を使用したものがあります。
方向誘導点字ブロック: 点字ブロックの形状や配置によって、進行方向を知らせるものです。複雑な交差点や通路での利用に効果を発揮します。
点字ブロック付き格子状床: 点字ブロックに加え、格子状の突起を設けることで、歩行方向を足裏で感じ取ることができます。広い通路や広場などに適しています。
これらの改良型点字ブロックの導入により、視覚障害者の歩行安全性はさらに向上しています。
参考URL:
国土交通省:バリアフリー白書 令和2年度
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h14/H14/html/E2046110.html
東京都福祉保健局:視覚障害者誘導用ブロックの設置
https://www.mlit.go.jp/en/tetudo/content/001339411.pdf
2. 音響式信号機
音響式信号機は、視覚障害者が横断歩道を安全に渡るための装置です。信号が青になると音で知らせるだけでなく、歩行者用の押しボタンを押すと音声で応答したり、信号の残り時間を知らせる機能を備えたものもあります。近年では、以下のような高度な音響式信号機が開発・導入されています。
立体音響式信号機: 方向性のある音で信号を知らせることにより、進行方向を把握しやすくなっています。
多言語対応音響式信号機: 英語や中国語などの多言語で案内を行うものもあり、外国人観光客にも対応しています。
連動型音響式信号機: 信号機と連動して、青信号の残り時間をカウントダウンする音声ガイダンスを提供するものがあります。
これらの高度な音響式信号機は、視覚障害者の道路横断における安全性と利便性をさらに向上させています。
参考URL:
国土交通省:音響式信号機の設置基準
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/annzen-shisetu/hyoushiki-shingouki/onkyou.html
東京都福祉保健局:音響式信号機の設置
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/iken_yobo/shingo_faq/onnkyo_shingo.html
3. ホームドア・ホーム柵 駅のホームドア・ホーム柵は、視覚障害者がホームから転落するのを防ぐための安全設備です。近年では、以下のような改良型ホームドア・ホーム柵が導入されています。
可動式ホームドア: 電車が接近すると自動で開閉するタイプです。視覚障害者だけでなく、車椅子利用者やベビーカー利用者にとっても安全性を高めます。
点字付きホーム柵: ホーム柵に点字を設けることで、視覚障害者が柵の位置を把握しやすくなっています。
音声案内付きホームドア: ホームドアの開閉状況を音声で知らせる機能を備えたものがあります。
これらの改良型ホームドア・ホーム柵は、ホーム全体の安全性を向上させています。
参考URL:
国土交通省:ホームドア・ホーム柵の設置基準
https://www.mlit.go.jp/common/001229893.pdf
東日本旅客鉄道株式会社:ホームドア・ホーム柵の整備状況
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20240312_ho04.pdf
4. 駅やバス停における視覚障害者向け音声案内システム
駅やバス停では、視覚障害者が安全かつ自立的に移動できるよう、様々な音声案内システムが導入されています。以下、代表的なシステムと最新情報をご紹介します。
駅構内音声案内システム
概要: 駅構内全体を網羅する音声案内システムで、改札口、売店、トイレ、エレベーターなどの主要な施設までの音声案内を提供します。
最新情報:
多くの駅で、AI技術を活用した音声案内システムが導入されています。従来のシステムよりも自然な音声で案内したり、利用者の位置情報に基づいた個別案内を提供したりするなど、利便性が向上しています。
例: JR東日本は、2023年3月から主要駅でAI音声案内システムを導入開始しました。
https://www.jreast.co.jp/
参考情報:
国土交通省:
https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202101291000/detail/
鉄道情報ナビ:
https://ca-mus.co.jp/introduce
バス停音声案内システム
概要: バス停周辺の音声案内システムで、バスの接近情報や乗り場までの案内、周辺施設の情報などを提供します。
最新情報: スマートフォンアプリと連携した音声案内システムが普及しています。アプリでバスの運行状況を確認したり、音声案内を日本語以外の言語で利用したりすることができます。
例: 東京都交通局は、2022年からバス停音声案内アプリ「Tossy」を導入しました。
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.gr.javaconf.siranet.tokyobus&hl=ja
参考情報:
国土交通省:
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.houj2.busteimap&hl=ja
バス事業者協会:
https://www.tokyobus.or.jp/
バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)は、公共交通機関を含むすべての公共施設のバリアフリー化を推進するための法律です。この法律に基づき、公共交通事業者は以下の事項について努力義務を負っています。
旅客施設のバリアフリー化: 段差解消、手すり設置、点字ブロック設置、音声案内設備設置など
車両のバリアフリー化: 車椅子用昇降設備設置、低床化、視覚障害者向け情報提供設備設置など
役務の提供: 係員による誘導、情報提供、介助など
バリアフリー化の進捗状況と課題
近年、バリアフリー法の施行や技術革新により、公共交通機関のバリアフリー化は著しく進んでいます。しかし、依然として課題も残されています。
バリアフリー化が不十分な駅やバス停: 特に地方の駅やバス停では、バリアフリー化が遅れている場合があります。
情報提供の不足: 視覚障害者や聴覚障害者向けの情報提供が十分でない場合がある。
職員の対応: バリアフリーに関する知識や経験不足による不適切な対応がある場合がある。
今後の展望
今後、更なる技術革新や法制度の整備により、公共交通機関のバリアフリー化はさらに進むことが期待されます。具体的には、以下のような取り組みが推進される可能性があります。
AIやIoT技術を活用した音声案内システムや情報提供システムの開発
自動運転技術を活用したバリアフリーバスの導入
バリアフリーに関する職員研修の充実
参考情報
国土交通省: https://www.japan-guide.com/e/e627.html
移動等円滑化支援センター:
https://www.jreast.co.jp/company/csr/barrier_free/
障害者情報福祉総合センター バリアフリー情報センター:
https://hasic.jp/about-hasic/
3. 視覚障害者の教育
3.1 視覚障害者のための学校
盲学校の概要
日本の盲学校は、視覚障害者が義務教育から高等教育までを受けるための特別支援学校です。全国に約70校あり、国公立と私立の学校があります。盲学校では、視覚障害を克服するための特別な教育に加え、普通科目の学習も行われています。
教育内容
点字の指導
白杖歩行の訓練
拡大読書器の使用方法
情報機器の使い方
日常生活訓練
体育
音楽
美術
職業訓練(鍼灸、按摩、理学療法など)
高等学校では、大学進学を目指すための学習や、就職に必要な専門知識・技能の習得など
参考情報
全国盲学校一覧 - 視覚障害リハビリテーション協会:
https://www.jarvi.org/schools_list/
盲学校教育 - 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合:
http://nichimou.org/impaired-vision/education/blind-school/
盲学校 - Wikipedia:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B2%E5%AD%A6%E6%A0%A1
情報取得時期: 2024年5月
職業教育
盲学校では、鍼灸や按摩といった伝統的な職業の訓練をはじめ、音楽や理学療法士などの専門教育も充実しています。これらの職業は、国家資格を取得するための専攻科が設置されており、高校卒業後に専門教育を受けることができます。
近年では、情報通信技術の発展により、視覚障害者が活躍できる職業の幅が広がっています。盲学校では、プログラミングやWebデザインなどのIT技術の指導も行われており、就職活動の支援も行っています。
参考情報
盲学校における職業教育 - 視覚障害教育総合支援センター:
http://mutubosikun.boy.jp/shisaku/syokugyou.html
盲ろう者等のための職業訓練 - 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sanka/dl/shien04.pdf
情報取得時期: 2024年5月
寄宿舎の設置
多くの盲学校には寄宿舎が併設されており、自宅からの通学が困難な生徒が生活しています。寄宿舎では、教員や寮母が日常生活のサポートを行い、視覚障害者が安心して学校生活を送れるよう環境が整えられています。
寄宿舎生活
1部屋に2〜4人の生徒が生活
食事、入浴、洗濯などの生活支援
学習時間、自由時間の確保
定期的な健康診断
課外活動への参加
家族との面会
参考情報
寄宿舎生活 - 全国盲学校一覧:
https://www.jarvi.org/schools_list/
情報取得時期: 2024年5月
インクルーシブ教育の進展
近年、インクルーシブ教育の理念に基づき、視覚障害者の子どもが地域の普通学校に通うケースが増加しています。普通学校での教育を受ける際には、個々の生徒のニーズに合わせた支援体制が構築されています。具体的には、以下のような支援が提供されています。
個別指導: 専任の教員による個別指導を通して、視覚障害者の子どもが学習内容を理解できるようにサポートします。
教材の点字化: 教科書や教材を点字に変換することで、視覚障害者の子どもが教材内容を効率的に学習できるようにします。
ICT機器の活用: 音声読み上げソフトや拡大読書器などのICT機器を活用することで、視覚障害者の子どもが情報収集や学習活動を行いやすくします。
教員研修の充実: 視覚障害教育に関する教員研修を充実させ、教員の専門性を向上させることで、より質の高い教育を提供できるようにしています。
訪問教育の重要性
普通学校に通う視覚障害者の子どもに対して、個別の支援が必要な場合には、訪問教育が行われます。訪問教育では、特別支援学校の教員が児童生徒の自宅や通学先を訪問し、個別指導や学習支援を行います。訪問教育は、以下のような場合に特に有効です。
視覚障害に加えて、他の障害がある場合
重度の視覚障害があり、通学が困難な場合
個別指導や学習支援をより集中的に受けたい場合
訪問教育を受けることで、視覚障害者の子どもは、個々のニーズに合わせたきめ細やかな支援を受けることができます。
多様な支援体制の整備 視覚障害者の教育環境は、専用の支援学校と地域学校の両方で多様な支援を受けられるよう整備されています。支援学校では、視覚障害者の子どもに特化した教育を提供することで、必要な知識や技能を習得できるように支援します。一方、地域学校では、インクルーシブ教育の理念に基づき、視覚障害者の子どもが地域の子どもたちと一緒に学び、社会性を育むことを支援します。
視覚障害者の社会適応と自立生活
視覚障害者のための教育は、視覚障害者の子どもが社会に適応し、自立した生活を送るためのスキルを習得することを目的としています。教育を通して、視覚障害者の子どもは、以下のような力を身につけることができます。
点字による情報収集能力
白杖を使った歩行能力
日常生活に必要な動作の習得
コミュニケーション能力
社会性を育む力
これらの力を身につけることで、視覚障害者の子どもは、周囲の人々と対等な関係を築き、社会の一員として活躍することができます。
情報源
文部科学省:
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/mext_00801.html
全国盲学校連合会:
https://nicjapanese.com/about/
日本視覚障害者協議会:
https://www.facebook.com/seinenkyou/
情報更新時期
2024年5月
3.2 視覚障害者の教育現場における支援と適応
点字と音声教材の利用
視覚障害者の教育では、通常の教科書に加え、点字版や音声教材が使用されます。これにより、視覚に頼らずに学習内容を理解することが可能です。
点字は、触覚によって文字を読み取る触覚文字体系です。視覚障害者にとって最も重要なコミュニケーション手段の一つであり、読書、執筆、情報収集など、様々な場面で使用されています。近年では、点字ディスプレイや点字プリンターなどの技術開発により、点字の利用環境が整備されつつあります。
音声教材は、音声で読み上げられた教材です。CDやDVD、インターネットを通じて利用することができます。視覚障害者だけでなく、学習に困難を抱えている児童生徒にとっても有効な教材です。
参考情報
点字図書館:
https://www.nittento.or.jp/
音声教材: https://www.nhk.or.jp/school/
適応指導教室の活用
適応指導教室(教育支援センター)は、視覚障害者を含む障害を持つ生徒が学習を続けられるようにするための施設です。ここでは、個別指導やグループ活動を通じて、学習支援や社会性の向上を図ります。
適応指導教室では、個々の生徒のニーズに合わせた個別指導やグループ活動が行われます。教科書や市販の問題集を使用し、カリキュラムに沿った学習が行われています。また、コミュニケーション能力を高めるためのスポーツやレクリエーションも実施されています。
参考情報
適応指導教室:
https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/news/detail/freeschool001/
教育支援センター:
https://www.mext.go.jp/
専門スタッフのサポート
教育現場では、視覚障害者が必要とする支援を提供するために、専門スタッフが配置されています。
代表的な専門スタッフ
視覚障害教育士: 視覚障害に関する専門知識を持ち、教育現場における支援を行います。
歩行訓練士: 白杖の使い方や公共交通機関の利用方法などを指導します。
理学療法士: 視覚障害による運動機能の低下を改善するためのリハビリテーションを行います。
作業療法士: 視覚障害者が日常生活を送るために必要な動作や技能の訓練を行います。
心理士: 視覚障害による心理的な問題の相談やカウンセリングを行います。
専門スタッフの役割
専門スタッフは、視覚障害者の個々のニーズに合わせた支援を行います。具体的には、以下のような支援を提供します。
学習指導
生活訓練
社会参加支援
心理相談
情報提供
参考情報
視覚障害教育士:
https://www.nise.go.jp/nc/wysiwyg/file/download/7/3221
歩行訓練士:
https://www.nippokai.jp/
理学療法士:
https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/certif-specialized/
作業療法士:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/168
心理士: http://fjcbcp.or.jp/
ICTの活用
現状
近年、教育現場では情報通信技術(ICT)の活用が進んでいます。視覚障害者にとっても、ICTは学習に欠かせないツールとなっています。具体的には、以下のような活用方法があります。
教科書のデジタル化: 教科書をデジタル化することで、視覚障害者は拡大表示や音声読み上げ機能を利用して、より快適に学習することができます。
音声教材の活用: 音声教材は、視覚障害者が教科書の内容を理解するのに役立ちます。音声合成ソフトを用いた教材も開発されており、より自然な音声で学習することができます。
ICT機器を用いた学習ソフト: 視覚障害者向けの学習ソフトが開発されており、ゲーム感覚で学習することができます。これらのソフトは、学習意欲を高め、基礎学力の向上に役立ちます。
オンライン学習: オンライン学習プラットフォームを活用することで、視覚障害者は時間や場所に縛られずに学習することができます。また、世界中の教育リソースにアクセスすることも可能になります。
課題と展望
ICTを活用した教育には、以下のような課題があります。
デジタルデバイド: インターネット環境やICT機器の利用スキルに差があるため、すべての視覚障害者が恩恵を受けられるわけではありません。
情報格差: 良質な教育コンテンツや教材が不足しており、視覚障害者のニーズに十分に応えられていない場合があります。
教員の指導力不足: ICT機器の指導方法に習熟していない教員も多く、効果的な活用が難しい場合があります。
これらの課題を克服するためには、以下のような取り組みが必要です。
デジタル環境の整備: インターネット環境やICT機器を無償で提供したり、利用方法に関する指導を行う必要があります。
質の高い教育コンテンツの開発: 視覚障害者のニーズに合わせた教育コンテンツや教材を開発する必要があります。
教員の指導力向上: ICT機器の指導方法に関する研修や教材を充実させる必要があります。
今後、ICT技術の更なる発展と課題克服により、視覚障害者にとってより効果的な学習環境が整うことが期待されます。
参考情報
文部科学省「GIGAスクール構想」
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm 情報処理推進機構「情報バリアフリー白書」
https://japan.zdnet.com/article/35177847/
視覚障害者情報センター「ICTを活用した教育」
https://jbict.net/survey/at-survey-03
情報更新時期: 2024年5月
訪問教育:
訪問教育とは?
視覚障害が重く、通学が困難な場合に実施される教育支援サービスです。教師が生徒の自宅や療養施設などを訪問し、個別指導や学習支援を行います。通常の学校に通えない子どもたちでも、必要な教育を受けられるよう、重要な役割を担っています。
訪問教育の役割
個別指導:一人ひとりのペースや理解度に合わせた、きめ細やかな指導を行います。
学習支援:学校の授業内容の補習や、日常生活に必要な知識・スキルの習得をサポートします。
ソーシャルスキルトレーニング:対人関係やコミュニケーション能力の向上を促します。
情緒面のサポート:不安や孤独などの感情に寄り添い、心のケアを行います。
情報提供:視覚障害に関する情報提供や、必要な支援機関の紹介を行います。
訪問教育の効果
学習意欲の向上:個別指導や学習支援により、学習への意欲が高まります。
学力向上:適切な指導を受けることで、学力向上が期待できます。
社会性の向上:ソーシャルスキルトレーニングや情報提供を通じて、社会性やコミュニケーション能力が向上します。
自立性の向上:日常生活に必要な知識・スキルを習得することで、自立性が向上します。
心の安定:情緒面のサポートを受けることで、不安や孤独などの感情を軽減し、心の安定につながります。
訪問教育の現状
訪問教育は、全国の教育委員会や特別支援学校等で実施されています。実施体制や支援内容は、地域や学校によって異なりますが、近年では、個別ニーズに合わせたきめ細やかな支援体制の構築や、ICT機器を活用した学習支援など、様々な取り組みが進められています。
参考情報
文部科学省「特別支援教育におけるICTの活用について」
https://www.mext.go.jp/content/20200911-mxt_jogai01-000009772_18.pdf
全国特別支援教育推進協議会「訪問教育実施状況調査結果報告書(令和3年度)」 https://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/tky/122276.html
情報更新時期
2024年5月
まとめ
訪問教育は、視覚障害のある子どもたちが、学校教育においても、他の児童生徒と同様に学び、成長できるよう、重要な役割を担っています。個別ニーズに合わせたきめ細やかな指導や学習支援、ソーシャルスキルトレーニングなどを通じて、学習意欲の向上、学力向上、社会性の向上、自立性の向上、心の安定といった効果が期待できます。近年では、ICT機器を活用した学習支援など、様々な取り組みが進められており、今後もさらなる質の向上が期待されます。
3.3 視覚障害者の教育における技術と教育の融合
AIと教育の融合
AI技術は、視覚障害者の学習支援を大きく進化させています。具体的な例としては、以下のものが挙げられます。
AI音声分析技術: 生徒の発音やイントネーションを分析し、個別のフィードバックを提供します。自宅学習中でも、リアルタイムに近い指導を受けることができます。
AI自動採点システム: 教員の採点負担を軽減し、よりきめ細やかな指導に時間を割くことができます。
音声技術と点字ディスプレイ
音声技術と点字ディスプレイは、視覚障害者の情報アクセスを飛躍的に向上させています。
音声読み上げソフト: テキストを音声に変換し、教材を聴覚で理解することができます。
点字ディスプレイ: デジタル情報を点字に変換し、触覚で読み取ることができます。
ICTの導入
タブレットやパソコンを用いたICT教育は、視覚障害者の学習環境を大きく改善しています。
拡大表示・音声読み上げ機能: 教材を拡大表示したり、音声で読み上げたりすることで、視覚に障がいのある人も教材を理解しやすくなります。
オンライン学習プラットフォーム: 地域間の教育格差を縮小し、より多くの人に質の高い教育を提供することができます。
遠隔学習とリモートサポート
リモート学習プラットフォームとリモートサポートは、場所や時間に制約されることなく、個別のニーズに合わせた教育を受けられる環境を提供します。
リモート学習プラットフォーム: 地方やアクセス困難な地域に住む人でも、自宅にいながら専門的な指導を受けることができます。
リモートサポート: 個別の学習進度や理解度に合わせた、きめ細やかな支援を受けることができます。
これらの技術の導入による変化
AI、音声技術、点字ディスプレイ、ICT、遠隔学習などの技術導入により、視覚障害者の教育は以下のような変化を遂げています。
学習機会の拡大: 従来は困難だった学習内容にも挑戦できるようになり、学習の幅が大きく広がりました。
個別指導の強化: 個々のニーズに合わせた指導を受けられるようになり、より効果的な学習が可能になりました。
教育格差の縮小: 場所や時間に制約されることなく教育を受けられるようになり、地域間の教育格差が縮小しました。
自立支援の強化: 自ら学び、成長するための力を養うことができ、社会で活躍するための基盤が築かれました。
参考情報
文部科学省「特別支援教育における情報通信技術の活用について」
https://www.crn.net.cn/research/cat182/20231222_002021.html
全国盲学校協議会「盲学校におけるICT教育の現状と課題」 http://www.zentoku.jp/dantai/mou/ind_9.html
視覚障害情報センター「情報通信技術を活用した視覚障害者の学習支援」https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/shogai_infomation/shien_guide/shikaku_bamen/information.html
情報取得時期
2024年5月25日時点
5:「目の見えない世界を理解する:視覚障害者の日常と挑戦(2)」に続く